”横須賀美術館を訪問”したことはありますか?
ここは、週刊新潮の表紙絵で知られる、谷内六郎さんの展示館が併設されており、海が見える、大変おしゃれな美術館です。
この日は、絵本作家・荒井良二展が開催中でもあり訪れました。
美術館と当日の企画展をご紹介します。
横須賀美術館とは!
横須賀美術館は、浦賀にあります。
浦賀は、江戸末期にペリーが来航し、開国を迫った場所ですよね。
私も歴史に浸りながら海沿いを歩き、美術館を訪問してきました。
この日は、品川から京急本線を使って浦賀まで行き、駅から美術館近くまでバスで行きました。
バスは1時間に2本ほどしかありませんが、電車とタイミングを合わせているようなので、待つことなく乗り換えることができました。
バス停から10分くらいの場所に美術館がありました。
帰りのバスの時間を確認しておくといいです。
なお、横須賀行きのバスも出ていました。
繰り返しになりますが、横須賀美術館は海沿いの美しい美術館として有名です。
海を望む、おしゃれなレストランが併設されていますので、カップルで来られている方が多かったです。
私は、何も食べませんでしたが。😂
休館が月に1回(毎月第一月曜日)と言うのもありがたいですね。
たいていの美術館は月曜日が休館なので、私のように日程に限りがあるものにはありがたいです。
ちなみに、日程の関係で私が訪問したの日は月曜日でした。
ただし時折、展示替えで休館なんてこともあるそうですから、事前に調べた方がベターのようです。
おしゃれな横須賀美術館
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下は、現地に飾ってあった「荒井良二展」と「谷内六郎展」のパンフレットです。
この日は「コレクション展(美術館所蔵品)」も同時に開催されていました。
1枚のチケットで全て鑑賞できました。
展示場はかなり広く、かなりの展示数です。
時間に余裕を持って訪問してください。
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荒井良二展へ
荒井良二さんは、1956年山形県に生まれで、日本大学芸術学部芸術学科卒の絵本作家です。
また、作詞・作曲やギター演奏もする方であり、さらに立体インスタレーションの造形もされており、まさに多彩な方です。
今回の作品展は、次のように紹介されていました。
「いつも、まさに旅をする時のように、先が見えない不安や恐れをも楽しみに変えてしまうような気持ちで活動の場を広げてきた荒井良二。
彼はこれまでどんなところを旅して、次はどこへ出かけていくのでしょうか。
ここからまた新しい荒井良二が誕生=new bornする展覧会を、ぜひ体感してください」
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原画だけでなく、絵本やインスタレーション作品も展示されていました。
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荒井良二さんと絵本
荒井さんは、1990年に処女作「MELODY」を発表して以来、100作以上の作品を制作されています。
荒井さんは、絵本を作る時の気持ちをこのように語っています。
絵本をたくさん作ったけど
何冊作っても、書いても、描いても
いつも初めて絵本を作るみたいな
気分で緊張する
だけど、この緊張をエネルギーに変え
ればいいし、初めて作るんだから
失敗なんてあたりまえだから
その分、気が楽だけど
人に失敗作を見せちゃ
いけないなと思うから、
思いっきりやりたいことを描いて
失敗とか成功ということよりも
人に贈るギフトみたいに
しようと思っている
「人に贈るギフトのように」っていい言葉ですね。
NETでもたくさん販売されていますので、手にとってご覧ください。
荒井良二さんの絵
私は絵本よりも絵に興味がありますので、気になった作品をいくつか紹介します。
作品1
この絵は、ピンクっぽい色で、モノトーンで描かれており、惹かれました。
どちらも絵本の一場面のようです。
左の絵は遠近表現が魅力的です。
右は家がぎゅっと立ち並んで、暮らしの息遣いが感じられます。
![横須賀美術館を訪問](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4777.jpeg)
作品2
これも色合いが素晴らしいですね。
こんな街の風景を描きたいものです。
『黄色と橙色の明るい建物』と『水色と紫色の陰影』、これらは補色の関係にあります。
これは、朝方の風景でしょうか?
どこかにありそうな街ですが、荒井さん独自の風景かと思います。
![横須賀美術館を訪問](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4778.jpeg)
作品3 私のお気に入り
荒いタッチで描かれた、大きな葉っぱや花が魅力的です。
奥の家に導いているようで、ワクワクしてきます。
コンポーズブルーの青空も効いています。
![横須賀美術館を訪問](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4780.jpeg)
作品4
『暗い夜空や建物』と『黄色い月やその光に照らされた黄緑の地面』
これらの対比が大変魅力的です。
右側の黄緑色の地面には人が輪になっています。
お祭りのようです。
夜空の荒いタッチが夏の暑さを語っています。
窓の明かりにも物語を感じます。
![横須賀美術館を訪問](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4792.jpeg)
作品5
やや大きめの2作品が並んで展示されていました。
どちらも音楽をテーマにした作品のようです。
左の絵には「寂しさや不安、安らぎ」を感じますし、右の絵には「喜びや輝き」を感じます。
音楽は聴く人の気持ちを、一瞬で、自由自在に変えてくれます。
そんなことを表現されたかったのでは?
ところで空を飛んでいるのは何なのでしょうか?
![横須賀美術館を訪問](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4800.jpeg)
ほんの5作品の紹介ですみません。
見逃せない作品ばかりでした。
撮影可でしたので、いっぱい撮らせていただきました。
荒井良二さん、ありがとうございました。
谷内六郎館へ
谷内六郎さんは、昭和31年の「週間新潮」創刊以来、25年に亘りその表紙絵を描き続けた画家です。
昭和世代の方なら、表紙絵を見かけておられるはずです。
谷内さんが表紙絵を描いた時期は、日本がちょうど高度成長を遂げた時代であり、時代を子供の目線や感性で捉えて描いています。
私は、谷内ファンなので、是非とも皆さんに見ていただきたいです。
谷内六郎さんについては、下のページで詳しく取り上げていますので、興味のある方はそちらもご覧ください。
私が訪問した日、谷内六郎館では、「荒井良二さんが選ぶ谷内六郎作品展」が開催されており、49作品が展示されていました。
いくつかの作品をご紹介します。
![横須賀美術館を訪問](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4838.jpeg)
谷内さんは、作品に必ずコメントをつけています。
そのコメントを読むとますます絵の魅力が引き立ちます。
その一部も添付しておきますね。
作品「小さな遊園地」私のお気に入り
「この絵は小さな遊園地、人形のコーヒーカップ乗りです。幼児は空想力がとても豊かですからーー自由自在にあるものを使って小さい世界を作ってーー上等の人形より、手足が1本くらいとれたような、髪もなくなっているような人形ーー」谷内
テーブルは、コーヒーカップ乗りの屋根なんでしょうね。
私の娘も幼い頃にこんな遊びをしていたのを覚えています。
時々付き合って、「みんな早く乗ってください。動きますよ」なんてやっていました。
愛おしいですね。
背景の団地風景が、場面設定に一役買っています。
これは最高傑作です。
![横須賀美術館を訪問/谷内六郎館](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4827.jpeg)
作品「雨の波止場」
「ボー、ダップダップダップ、ボー、ダップダップダップ、」谷内
これがコメント全文です。
雨の中、この少女は誰かを待っているようです。
港の音には、不安と安らぎの両方を感じませんか?
来ないのかもしれないという不安と、きっともうすぐ来るという期待感が同居しているように感じます。
![横須賀美術館を訪問/谷内六郎館](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4807.jpeg)
作品「夜の果実店」
「夜のクダモノ屋はクダモノの色が道まで溢れていて、なんとなく暖かく楽しいようです」谷内
確かに夜は反射した光が路面を照らすので、こんな風景になります。
谷内さんは、この絵に次のようにもコメントしています。
「僕は世の中がそのままロウヤだと思っているので、ロウヤの中で泣いている絵を描きたいのです」谷内
これは、先のような『やや読者を意識した綺麗なコメント』に対する『後ろめたさ?』を述べたものです。
商業画家としての葛藤があったのかもしれません。
![横須賀美術館を訪問/谷内六郎館](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4812.jpeg)
作品「夜中のヘッドライト」
「都会の子は、ーーーふと夜中に目を覚ますと、影坊主が壁にまわりどうろうのように動きます」谷内
誰でも経験したことがありそうな光景ですね。
子供にとって夜は、大人よりも不気味な時間であり、不穏な想像を膨らませる時間です。
明暗の対比が美しくて、そんな感情を強調しています。
![横須賀美術館を訪問/谷内六郎館](https://fukutoraku.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4832.jpeg)
『谷内六郎館』はこじんまりとした展示室ですが、素敵な作りです。
すりガラス越しにこんな風に海の風景が見えます。
椅子が設置されていますので、久しぶりに子供時代に思いをはせながら、ゆっくりと鑑賞してはいかがでしょう。
若い人たちにも訪れていただきたいです。
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最後に
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
いかがでしたか?
荒井良二さんと谷内六郎さん、良かったでしょ。
他にも、いろんな画家さんを紹介しています。
風景画家さんが多く、見逃せない画家さんばかりですよ。
また、いろんなカテゴリーのページがありますので、ホーム画面にもお立ち寄りください。