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こんにちは、福家佳則です
油彩で花と街の風景を描いています

“オーラがある絵、ない絵”とは!未熟でも生きた絵を描くには!

”オーラがある絵、ない絵”とは

人を惹きつける”オーラがある絵、ない絵”とは、どう違うのでしょう。

多くの作品が並ぶ中で、人々が立ち止まって見入る作品!

絵を嗜む方であれば、誰でもこんな絵を描くことを夢見ているのでは!

プロにご指南いただき、私の経験も踏まえながらこの難題に挑んでみます。

人を惹きつけるオーラがある絵を描くには!

このページは、私の絵の師匠である画家の黒沼大泰さんから教わったことが、ベースになっています。

それは『黒沼さんご自身の経験』と『他の画家さんとのデスカッションから得た知見』が元になっています。

私自身も大いに参考にさせていただきましたが、大切なことなので、皆さんにもお伝えしたく、このページを作成しました。

絵の活動をしている方には大変参考になると思いますので、是非ともご一読ください。

なお黒沼さんについて知りたい方は、こちらのページをご覧ください。

ブログ・絵画を嗜む

ちなみに私は黒沼さんたちが主催するNAC(Next Art College)のメンバーです。

NACとは、画家や画家の卵たちのコミュニティです。

私にとっては、絵に関する豊富な情報源でもあります。

参考までに、私がNACについて書いたページをご紹介しておきます。

NAC(Next Art College)ついて

オーラがある絵、ない絵
NACグランプリの様子

それでは本題に入ります。

絵のクオリティが高ければ良いのか?

『クオリティが高くてうまい絵、そして人気があるモティーフ』

そんな絵ならオーラがあり感動を与える絵になるのでしょうか。

そうではないようです。

当然かもしれませんが、「うまい絵=オーラがある絵」ではないのです。

オーラがある絵とはこんな絵のことを指します。

  • 観る人が、周りの絵が気にならなくて、その絵に吸い寄せられるような絵
  • 生き物のような存在感・生命感がある絵
  • 空間において、ものすごく主張する絵
  • そんなにうまくなくても埋もれない絵
  • 観る人がエネルギーや癒しをもらえる絵
  • 思わず家に持って帰って飾りたくなる絵

黒沼さんは、このような絵に対して、オーラがない絵を死んでいる絵と称していました。

つまりうまいけど死んでいる絵」では、たとえクオリティがどんなに高くてもオーラを放つことはないのです。

死んでいる絵では人に感動を与えることはできないのです。

それでは、どうやったらこのようなオーラがある絵を描けるのでしょうか!

オーラがある絵、ない絵

無機的な絵と有機的な絵

黒沼さんは、絵を『無機的な絵』と『有機的な絵』に分類しています。

無機的な絵とは

無機的な絵とは次のような絵です。

  • 機械的な作業で仕上げられた絵
  • 画家の目で選び抜いた判断が盛り込まれていない絵

まず無機物とは単一、均質なものが集まっている集合体です。

絵でいうと、機械で描いたように正確に均質に描かれた絵を指します。

話は変わりますが、私はフランスのパリに何度か立ち寄ったことがあります。

パリは、都市計画されて作られたため、同じような豪華な建物が整然と並んでいる街です。

それはそれで大変美しいのですが、私はあまりパリの風景を描きたいとは思いません。

無機的なイメージが絵心を想起しないからです。

パリで活躍した印象派の画家たちでさえ、パリ市内の風景よりもパリ郊外の風景に目を向けていたように見えます。

豪華な建物であっても全く同じものが整然と並んでいる姿は、上手いのに機械的に描かれた絵と同じなのでしょう。

有機的な絵

一方、有機物とは性質が異なる様々なものが集まっている集合体を指します。

それらのパーツは、集まって全体として秩序を成していいます。

先ほど無機物をパリに喩えましたが、有機物はイタリアのベネティアのような街でしょうか。

私はベネティアに2度訪れたことがあります。

ベネティアでは、石造りや木造の、また様々な建築様式やサイズの建物が、ところ狭しと並んでいます。

多分、街の発展に伴って行き当たりばったりで増改築されてきたのでしょう。

このようにベネティアは迷路のような街ですが、一方、街全体としては秩序ある大変美しい運河の街です

私はこの街に大変絵心をくすぐられ、何度もその風景を描きました。

このように、人間は、均質で単純なものに比べて、秩序ある複雑さにより深く感動するのです。

それでは、有機的な絵とはどんな絵なのでしょう。

画家は、絵を描く時に脳内でこういう感じ・こんなプロセスで描こうと計画します。

しかし通りにいかないときがあります。

思い通りにいかない時に、画家は何度も画家の目を通して判断し絵を立て直します。

そうした課程を繰り返していくと、加えられた様々な色面が全体として秩序をなすことがあります。

それは、最初の絵画の完成イメージとは違っているかもしれません。

しかし、そんな時には、全く違った、分かり合えないものたちが一つの秩序を成しているはずです。

画家たちは次のように述べています。

立て直しが上手くいった絵には、思いもよらないオーラがある

生み出すまでに苦労した絵ほど、そのプロセスを通して画面が多様になっていき、最終的に「有機的な秩序」が生まれて感動させられる絵になっているということです。

「こういう絵は個展を開くと必ず購入してもらえる」とも!

しかし、画材によっては途中から立ち直しが困難なケースがあります。

なので、有機的なプロセスをできるだけ最初から組み込んでいければ理想的です。

黒沼さんは、絵を描く前に使用する写真を加工して徹底的に画家の判断を盛り込んでおくとのこと。

要は、有機的なプロセスをできるだけ事前に済ませていると語っていました。

写真を使って描いても良いのか

私自身、写真を使って描いているので、これは気になっていたことでした。

オーラがある絵、ない絵
マーガッレト畑

絵を描くときに写真を使う場合、「絵が死ぬケースがある」と、またそうすることは「生き生きとした絵との境目にある」とも言われました。

ただし、「決して写真を使って描くべきではないということではない」、「むしろ写真を使うべき」とも。

実際、ホキ美術館に展示されているような超写実絵画の画家さんたちはほどんど写真を使って描いているようです。

しかしながら、そう簡単な話ではありません。

というのも、

例えば少し手慣れた人が、写真を見ながら丁寧に描くと、一般の人には「写真みたい!!!」と驚かれます。

しかし専門家が見れば「それは作品と言えるのか」、「写真が劣化したような絵だ」とみなされます。

そもそも、情報量からするとどう見ても写真の方が上なのです。

それでは、どうすれば良いのでしょう。

写真を使って描いた絵が死んだ絵になるのは、そこに命を吹き込んでないからです。

だから、絵に命を吹き込んでやらないとダメなのです。

写真と同じ土俵で勝負してはダメなのです。

写真を使って描く時に知っておくべきこと

命を吹きこむための工夫が大事

繰り返しになりますが、

「写真を使って描いても良いし、むしろ使うべき」

ただ、「命を吹きこむための工夫が大事」なのだと。

写真家の場合も、写真家はまず写真を撮る時には、狙いの天候や露出、構図などを選び抜き、撮影後には、その写真データをphotoshopなどを使って加工して写真家の判断や思いを盛り込んでいます。

画家も同じです。

つまり、『画家の主張が盛り込まれていない絵』すなわち『機械的に描いた絵』では、スナップ写真を写した死んだ絵にしかならないのです。

写真をベースにして、
絵の質感、粗密、色のバランス、彩度、モティーフ、構図などを選び抜き、さらに本当にこれでよいと思えるまで加筆してゆくプロセスが大事なのです。

人間の目とカメラのレンズは違う

人間の目が捉える映像とカメラのレンズが捉える映像とは違っています。

このことを意識しておくことが大変重要です。

オーラがある絵、ない絵
志々島の芝桜

人間の目は次のように見えています。

中心付近はカラフルで精細に見えます。

一方、周辺は、若干モノトーン気味で明暗が主体になっています。

ただし、動きには反応しやすいように、周囲には敏感です。

一方、写真の場合は全般にややモノトーンで彩度が落ちています。

また、白飛び、黒とびしやすいので、ハイライトの箇所や影の黒い箇所は精細には見えません。

実際は、そんな箇所は人間の眼の方が情報量が多いのです。

特に暗い箇所には注意が必要です。

以上のように人間が見る像と写真とは、そもそも別物なのです。

いわば、眼で実際に見て感動したところが写真では抜けているのです。

旅行の写真を後で見直したとき、今ひとつあの感動が薄れるように思いませんか?

同様に、

『写真に頼って機械的に描いた絵が、写真が劣化したような絵に見えてしまう』

これは当然なことなのです。

写真は、人間の眼で見た粗密のバランス感覚とは違うのですから!

黒沼さんは、「photoshopで写真のレイアを調節しておく」といっていました。

当然その時に画家の主張も盛り込んでおくとのこと。

ここまでしても、それをプリントアウトすると色味が変わってしまうので、やめましょう。

また、できればmacやipadなど画質の良い機器を見ながら描くことをお勧めします。

私はmacを使って描いていますが、大変画質が綺麗です。

複数の写真を組み合わせる場合

複数写真を組み合わせて1枚の写真にすると、情報量が増えて画家の思いが表現しやすくなります。

私自身もよくそうしています。

ただし、その際には次のような点に注意しておくことが大事です。

  • 光源の位置(影の向きなど)と色味を揃える
  • 描く目線の高さ(人物の配置)を揃える
  • 遠近感(大きさ)が狂わないようにする

ただ、今の画像ソフトはこういったことが大変簡単にできます。

ソフト上で色々と試してみるといいですね。

とはいえ、私も一時期はPHOTOSHOPを使っていたのですが、使い方が難しくて現在はメディバンペイントというMACに無料で搭載されているアプリを使っています。

最初は、簡単なアプリから始めてもいいです。

このページを書きながら、私もそろそろ本格的に画像加工に取り込もうかなと思いました。

PHOTOSHOPは安いのだと月1000円くらいなので、必要投資ですね🤗

詳しくは知りませんが、PHOTOSHOPでは画像生成AIも使えるようですし。

最後に

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

黒沼さんが次のように言い添えてくれました。

もし、個展を開くなら

1枚だけいい絵があってもだめです。また絵の形が一つだけでは退屈します。

多様な絵をお互いを引き立て合うように準備することも大事です。と!

道は険しいですが、お互いに頑張りましょう。


このように、他にも絵についていろんなカテゴリーの投稿をしています。

例えば、こちらでは「絵が上手くなるポイント」について取り上げています。

絵画上達のポイント

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ABOUT US
グランFgranf1765
第二の人生に入り、軽い仕事をしながら、風景画を描いて過ごしています。現役の時に絵画を始めてから早10年以上になります。シニアや予備軍の方々に絵画の楽しみを知っていただき、人生の楽しみを共有できればとブログを始めました。