”水彩画・アクリル画・油絵”どう違う?どれにしようか!

初心者の方、”水彩画・アクリル画・油絵”、どれにするかお悩みではありませんか。

それぞれの違いをご存じですか。

これから本格的に絵画を始める方々に向けて、表現、技法、コストなど、様々な面から違いを解説します。

画材を決める時の参考にしてください。

 画材の違いを一挙解説
”水彩画・アクリル画・油絵”

画材を決める時の最大の決定理由は、どんな絵を描きたい、どんな表現がしたいということでしょう。

しかし、人それぞれで時間や制作スペースなどの制限があると思います。

私は、風景画を描いていますが、最初は絵画教室でデッサンをやり、その後は水彩画を描いていました。

仕事が大変忙しい年代でしたので、簡単に始められそうな画材を選びました。

また、淡いパステルチックなところが時代や好みにもマッチしていました。

当時は水彩風景画家・安野光雅さんの作品が好きでした。

その後海外に転勤したこともあり、手頃な道具だけで楽しめる水彩画を3年ほど続けました。

その後、海外から帰国して他県の絵画教室に通いだした時、先生から「展覧会に出品するなら大型作品でも見劣りしないアクリル画をやったらどうか」と勧められました。そしてアクリル画に変更して4年やりました。

アクリル画のままでもよかったかも知れません。

すでに独自で公募展にも出品するようになっていました。

しかし、

  • 公募展において並んで陳列された油絵作品に触れ、その重厚感、力強さに魅せられたこと。
  • 本格的に絵画をやってみたいと思いだした時期であったこと。

そんなキッカケで、油絵に挑戦してみようと決めました。

かなり遠回りしていますが、こんなものかも知れません。プロの方々も大抵どれでも描きますよね。

とは言え、あれこれと手を出すのは、時間とお金の無駄でしょうから、ご自分に合ったものが早く見つかるとよいですね。

表現の違い
”水彩画・アクリル画・油絵”

私は、下記の方が主催するオンラインスクールでデッサン、水彩、アクリル、油絵の基礎技法を学びました。

ブログ「絵画をたしなむ」 画家の黒沼

これまでに全ての画材を一応経験していましたが、美大を出ていない私にとって黒沼さんの講義には知らないことがたくさんありました。本当に受講してよかったなと思った次第です。

レッスンでは、デッサン、水彩画、アクリル画、油絵、金箔を使った絵を各々何枚かずつ、先生の動画にならって制作しました。

講義内容は、それぞれの画材の特徴を良くとらえたものでしたので、僭越ながら教わって描いた絵を2作品ずつ表現の比較のために掲載させてもらいました。

水彩画 

水彩画のイメージは、にじみやかすれ、紙の白さや絵の具の軽やかな発色を生かした作品に代表されるのではないでしょうか。

少し教わったり、勉強すると、すぐにそれらしい絵を描くことができます。

初心者には、描きやすい画材と言えます。

しかし一方で、各人の感性のようなもので差が出る画材でもあり、それが最も面白いところであり、難しいところでしょう。

オンラインスクールで描いた絵です。

”水彩画・アクリル画・油絵”の違い
水彩画での表現(水田)
”水彩画・アクリル画・油絵”の違い
水彩画での表現(夜桜)

アクリル画

アクリル画で良く知られているのは、ポスターなどの平面的な作品かと思います。

アメリカの画家・アンディウォホールが有名ですね。

最近では、透明度のあるアクリル絵の具(アクリリック)が生まれたり、メディウムという絵の具の添加剤が発達したことで、絵の幅が格段に広がっています。

緻密にクリアでリアルな絵画を描きたい人には特に人気がるようです。

オンラインスクールでこんな絵を描きました。まだまだ未熟な絵ですが、以前よりもリアルな感じになってきました。

”水彩画・アクリル画・油絵”の違い
アクリル画での表現(白鳥)
”水彩画・アクリル画・油絵”の違い
アクリル画での表現(生花)

油絵

油絵のイメージは透明感があり重厚な古典絵画であったり、厚塗りの印象派作品など、人によってとらえ方が大きく違っているのではないでしょうか。

それだけに長い歴史があり、幅広い表現がなされてきた画材といえます。

風景画家・中西繁さんは著書でこのように述べています。

『(油彩画の)基本を習得したら、あとは創意工夫して自分らしい絵を描いていただきたい。油彩画の技法は複雑だが、それだけに創意工夫する余地も多い。それがまた油彩画ならではの魅力でもある。』

油絵の奥の深さと面白さがよく表現された言葉ですね。

中西さんは、独学で油絵を学び画家になった人です。それもあって、中西さんは『思うように絵を描けるようになったのは、始めてから20年くらい経った頃だ。』とも語っています。

私自身、少しずつですが中西さんの言葉が理解できるようになってきました。

オンライン絵画教室で教わった絵です。

”水彩画・アクリル画・油絵”の違い
油絵での表現(夕暮れ)
”水彩画・アクリル画・油絵”の違い
油絵での表現(草原の犬)

絵の具の違い
”水彩画・アクリル画・油絵”

絵の具は顔料と接着剤となる成分でできています。

  • 水彩絵の具     顔料+アラビアゴム
  • アクリル絵の具   顔料+アクリル樹脂
  • 油絵の具      顔料+乾性油

この接着剤の成分の違いが、絵の具の特性になっています。

水彩絵の具 特徴

水彩絵の具には透明水彩と不透明水彩があります。

  • 透明水彩絵の具  高濃度のアラビアゴムを含有
  • 不透明水彩絵の具 低濃度のアラビアゴムを含有

一般に水彩画では透明水彩絵の具を使用します。

透明と言っても絵の具が透明なわけでなく、水で薄めても顔料が固まるように作ったものです。それによって透明効果を出しています。

絵の具を水で溶いて、狙いの濃さにして描きます。

絵の具は固まっても溶かせばまた溶けるので、持ち運びに便利な固形絵の具も市販されています。描くときに少しずつ溶かして使います。屋外で描く時には便利です。

アクリル絵の具 特徴

アクリル絵の具にも透明(アクリリック)と不透明(ガッシュ)があります。

アクリリックには、透明〜不透明の透明度表示がされています。

一般にアクリル画ではアクリリックが使われます。お好みでガッシュを加えても良いでしょう。

水性だけど乾くと耐水性

水で溶かして使いますが、水彩絵の具と違って、乾くと水には溶けません。絵の具を重ねていく場合には下の絵の具が溶けないので有利です。

また、耐水性のため、例えば屋外展示も可能です。

速乾性

溶かす水の量によって幅が出ますが、数分から数十分で描いた絵の具が固まります。急ぎたいときは、ドライヤーという荒業を使って乾かすこともできます。

これは油絵の具にはしないでくださいね。

また、アクリル絵の具をチューブから出して放置すると、1時間くらいで固まります。

だから、私は、縁のある皿をパレットにし、休憩する時にはラップをかけるようにしています。

塗膜の柔軟性

アクリル絵の具は柔軟性があるので、キャンバスや板の収縮に合わせて伸縮します。そのため、長期保存にも適しています。

古い油絵にひびが入っている様を見かけますが、アクリル画ではその心配がありません。

油絵の具 特徴

決定的な違いは油で溶いて描くことです。

油絵の具にも透明、半透明、不透明の3種類があります。これらを、うまく使って表現します。

乾燥が遅い

普通、数日で乾きます。しかし、色や溶き油によっては1週間以上も乾かないことがありますので、初めのうちは使いづらいかもしれません。

絵の具が乾かないうちに、次の色を重ねると色が混ざってしまいます。(それを狙う技法は別として)

そのため全体を眺めて、絵の具を重ねて良いところを見つけながら、描く必要があります。慣れると、効率よくできるようになります。

とは言え、私は最近では乾燥が遅い油絵が気に入っています。

例えば、パレットや筆を洗わずに長時間別のことができますので、あれやこれやと手を出す私にとっては多いに助かっています。

また、描いた後に気に入らない絵の具を拭き取ることもできます。

もちろん薄く色が残りますが。

アクリル絵の具は乾くのが大変早いので、ゆったりと考えながら描く性分の私にはきついです。

また、油絵の乾燥が遅いのが描く時に最大の強みになります。それは、次のカラムでご説明します。

高い透明度

油絵の具自体が高い透明度を持っています。それは乾性油が光を透過するためです。この性質が描く時の2つ目の大きな強みです。

描きやすさの違い
”水彩画・アクリル画・油絵”

描きやすさは、どれも一長一短があります。

画材の欠点を補いながら、長所を生かせるモチーフを選んで、長所を生かして描いていくべきと思います。

水彩画

透明水彩絵の具では、イメージで言えば、薄い色付きセロファンを重ねるようにして描きます。

どちらかと言えば、白っぽいモティーフを描くのに適しています。

絵の具が水で溶けるので、描いた部分を溶かして、ぼかしを表現することもできます。

逆に、不必要に下の色が溶け出して色が濁ってしまうことがあり要注意です。

水彩画では、筆に多量の水を含ませて塗ることが良くありますが、そのような絵を描く場合は事前に用紙の水張りをしておくことが不可欠です。

水張りをしていないと、用紙がべこべこになります。

水彩画では、下のページに描いてある六つの技法を使えるようになると、一気に上達できます。試しにトライしてください。

初心者の方へ 水彩画の基本中の基本はこれ

アクリル画

先ほども述べた用に、アクリル絵の具(アクリリック)には、透明〜不透明があります。そして、絵の具の粘着性が低いので細かい表現に適しています。

これらの特性を生かすことで、クリアでリアルな絵を描くことができます。

また油絵でも同じですが、絵の具の透明・不透明の使い方をマスターすると格段に上達します。

一方、アクリル絵の具は固まるのが早いのでマットに塗るのは簡単ですが、グラデーションを作るのには不向きです。グラデーションを作るには技法の方でひと手間加えてカバーします。

このグラデーションというのは、絵画のかなり重要な位置を占めます。油絵では、嘘のように簡単にグラデーションが描けるので助かります。

アクリル絵の具では各種メディウムを併用すると、グラデーションなど絵の幅をかなり広げることができますので、メディウムを知ることが不可欠です。

また、水彩に重ねて描いても問題ないので、水彩画の幅を広げることもできます。

油絵の上にはアクリル絵の具を塗ることはできませんが、油絵の具をアクリルに重ねるのは全く問題ないです。アクリルを油絵の下地に使う方も結構おられます。

油絵

アクリルと違って油絵の具は固まるのが遅いので、画面上で色を混ぜたり、擦ったりして、グラデーションを作ることが簡単にできます。

グラデーションは立体感や奥行き感を表現するのに大変重要な要素なので、これが簡単にできると言うのは本当に強みです。

また、不透明色に透明色を重ねることで、より重厚なグラデーションを作ることができます。

油絵の基本は、不透明色で立体感を描き、透明色で鮮やかに仕上げることですが、これに溶き油の配合にも配慮するとさらに重厚感のある絵が描けます。

技法はやや複雑なので、マスターするには多少時間がかかります。

制作時間の違い
”水彩画・アクリル画・油絵”

これは当然どんな絵を描くかによりますよね。

一般的には、水彩画<アクリル画<油絵です。

緻密な絵、大型の絵を描こうとすると、どうしても時間がかかります。

油絵100号クラスですと、私の場合は1年がかりです。

油絵は、乾くのを待つ時間が加わるので、他の絵よりも当然制作時間が長いです。速乾メディウムを使わない限り、手際よく大量制作というわけにはいきません。

毎日描く人は、何作品かを同時進行で描くようにすれば、油絵でもこの問題を解消できます。私は最近は同時期に油絵5作品くらいを描いています。

油絵の制作時間短縮法

一つは速乾性のメディウムを混ぜて使うことです。

ただ、乾燥が早すぎて、少し時間をおくと筆の絵の具が固まってしまいます。手入れが煩わしいので、私はあまり使いません。

先程の中西さんは、次のような技法で時間短縮しています。

『乾きの早いアクリル絵の具でおよそ7割程度を描き、仕上げに油絵の具を使う技法を採用している。』

『これなら、油絵の具の乾きが遅いのを省略できるし、アクリル絵の具のマチエール(質感)が得られて、さらに油絵特有の色艶も出せる。』

とは言え簡単には、真似ができそうにないですが😂

ただ、下地程度の範囲にアクリルを使うことは、一般によくやられています。

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コストの違い
”水彩画・アクリル画・油絵”

コストについては、それぞれをどこまで追求するかにもよりますね。

ゴルフの場合でも、マニアはゴルフクラブを頻繁に買い替えます。ドライバーは1本10万円クラスのようです。(もっといいものもあるでしょうが🤗)

釣りの場合も、魚によって道具を変えますし、何十万円もするリールなどもありますね。

どんなものでも、凝るとコストはどんどん跳ね上がっていきます。(´;ω;`)

絵画でも、絵の具や紙などの画材はピンキリですし、大型作品を制作するようになると、キャンバス代などに多額の費用がかかります。

一般的に言うと、水彩画<アクリル画<油絵です。

また、共通して言えることは、額縁が高いということです。完成したら飾りたいものですが、とにかく額縁が高いんです。(笑)

同じサイズに描くようにして、転用するしかないですね。

水彩画

水彩画の場合、あまり絵の具を消費しないので、絵の具代はかなり節約できます。筆もあまり傷まないので長く使えます。

用紙は、プレバトのようにスケッチブックでも良いのですが、本当はパネルを使って水張りした専用の水彩紙に描く方が望ましいです。

パネルや専用の水彩紙はそこそこの値段です。

アクリル画

水彩よりも絵の具の消費がやや多いので、その分がやや高くつきます。筆も傷みが早いので、やや頻繁に買い替えが必要です。

用紙などは、ほぼ何にでも描けますので、水彩とあまり変わらないです。

コストは制作サイズ次第ですね。

油絵

油絵の場合は、溶き油や筆洗い用の油が必要になりますので、確実にコストアップします。また、描くときにいちいち筆を洗うのが大変なので、どうしても筆の本数が増えがちです。

絵の具自体は、アクリル絵の具とそれほど変わらないでしょう。ただ1本数千円なんていう絵の具もあります。

その他の違い
”水彩画・アクリル画・油絵”

他にも気をつけておいたほうが良い点を書いておきます。

匂いについて

水彩画とアクリル画では全く匂いの心配はありません。

残念ながら、油絵は溶かし油に揮発油を使いますので、例えばシンナーのような匂いがします。

特に描き始めは、溶き油に揮発油を多めに混ぜて使いますので、結構匂います。

筆洗いの液とか、完成後に保存用に塗るニスも匂います。

自宅で個室を確保できない場合には、必ず家族からのクレームがあるでしょうね。😂

画家の方でさえこの匂いが嫌いな方が居られますが、私は、それほど気にはなりません。

幸い私は個室があるので、そこで描いています。

窓用の換気扇を取り付けて、時々、換気するようにしています。

片付け手間について

片付け手間は、各人の丁寧さの違いはあろうと思います。

水彩は圧倒的に楽です。アクリルと油絵はやや面倒です。

水彩画 片付け

水彩絵の具は固まった後にも水に溶けるので、もし筆やパレットに絵の具が固まっていても水で洗えば簡単に絵の具が取れます。

多少、手入れが悪くても、筆の傷みは少ないです。

アクリル画 片付け

アクリル画の場合は少々厄介になります。

水で洗えば良いのですが、アクリル絵の具は固まるのが早く、一度固まると溶けません。

描く途中で筆を変えるごとに、すぐに水で洗います。

筆に絵の具が固まってしまうと取れないので、筆を頻繁に丁寧に洗う必要があります。

パレットについては、
パレットを皿などでリユースする場合には、皿を多めに用意します。
水につけておくと固まった絵の具でも簡単に剥がれます。

紙パレットを使って、都度、使い捨てにすると片付けは楽です。

筆は、水で良く洗っても、どうしても筆の根元に絵の具が残って、毛先が広がってしまいかちです。

なので頻繁に筆を買い換えざるを得ません。

油絵 片付け

油絵の具は乾きが遅いので、一日が終わってゆっくりと片付ければ十分です。ただし、速乾性のメディウムを使った場合は、できるだけ早めに洗ってください。

筆に絵の具が固まってしまうと使い物にならないので、筆洗い用の液で絵の具を落としてから、石鹸を使って残った絵の具を丁寧に洗い落とします。

油ですので、石鹸で洗うと割りにキレイに絵の具が落ちます。

これをやっておくと、結構長い間筆を買い換えずにすみます。

使い捨ての紙パレットにすれば、パレットの絵の具落としも不要になります。

リユースタイプのパレットでは、パレットナイフで残った絵具をこそぎ落としてから、ティッシュに筆洗い液を染み込ませて拭き取ってください。

画材の持ち運びについて

水彩とアクリルについては、30分もあれば描いた絵が完全に乾くので、持ち運びは楽です。

油絵 持ち運び方法

油絵は乾くまで何日もかかるので、持ち運ぶ時はキャンバスクリップというものを利用します。

2枚のキャンバスを表面同士を突き合わせてキャンバスクリップで固定します。キャンバスの間には1cm程の隙間ができるので、絵の具がもう一つのキャンバスに付くようなことはありません。

裏返しているので、持ち運ぶ袋にもつきません。

これを使えば、教室などで描き終わったらすぐに持ち帰ることができます。

こちらを参考にしてください。

最後に

お付き合いいただき、ありがとうございました。

どうでしょう。ご自分にあった画材が見つかりましたか。

お役に立てましたら幸いです。

詳しくは、次のページを参考にしてください。

絵画の画材と描き方

Youtubeにも投稿してます

「風景画の旅」と言うテーマで、国内外の風景と自作絵画を動画にしてご紹介しています。

こちらもお立ち寄りください。お気に入りのモティーフが見つかるかも!

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ABOUT US
グランFgranf1765
第二の人生に入り、軽い仕事をしながら、風景画を描いて過ごしています。現役の時に絵画を始めてから早10年以上になります。シニアや予備軍の方々に絵画の楽しみを知っていただき、人生の楽しみを共有できればとブログを始めました。