初心者の方へ”水彩画の描き方” 基本中の基本はこれです!

水彩画を始めたけど、”水彩画の描き方”の基本を知らず、今ひとつ上達できなくて悩んでおられませんか?

今回は、プロの画家たちが教える水彩画の描き方をまとめました。

水彩画は、アクリル画や油絵と比べると、描きやすい画材ですので、基本さえマスターすれば一気に上達するはずです。

水彩画の初心者にとって、大切なことが多いので是非ともご一読ください。

”水彩画の描き方”の基本とは! 

「基本の描き方」に入る前に、こちらのページを是非とも目を通してください。

「水彩の画材とその使い方」について知っておくと、より理解しやすいはずです。

前回の動画

”水彩画の画材と使い方”初心者の方、すぐに始められます

私の現在の絵の先生は、画家の黒沼さんで「絵画をたしなむ」というブログとyoutubeチャンネルを設けている方です。

先生は動画を使って様々な描き方を理論的に教えてくれます。

この理論的という意味は、「なぜそうするのか」ということを解説してもらえるという意味です。

真似て描いたり、直してもらったりするだけでは、そうする意味が理解できてないので、違うモティーフになると混乱しますよね。

この講座で、鉛筆デッサン、アクリル画、水彩画、油彩画、金箔画について様々な描き方をいわゆる理論的に教わりました。

講義で学んだことに、自分なりの解釈を加えて、初心者の方向けに透明水彩の描き方のポイントをご紹介したいと思います。

先生の講義は、やや中・上級者向けのようですが、興味を持たれたら正式に先生の講義を受けてください。

水彩画とはこういうもの!

水彩画の基本的な考え方は次の通りです。

① 白地を生かす

水彩画では白色は基本的に下地の白を利用します。

白は白い色を塗るのではなく、塗らずに残します。

これは水彩画の基本中の基本です。

試しに何かの色で描いたものに白を重ねて塗ってみてください。塗らずに残したものと比べてみると良く理解できるはずです。

② 白っぽいモティーフを選ぶ

白っぽい、いわゆる明るいモチーフは、水彩画に良く合います。

画材にあったモチーフを選ぶことも大切ですね。

アンドリュー・ワイエスの水彩作品を載せておきます。

白地が映える素晴らしい作品ですね。


アンドリューワイエスの水彩画

③ 徐々に暗く、
徐々に鮮やかにしていく

最初は絵の具を多めの水で溶いて、明るく鈍めに描き進め、細やかな色の変化で立体感を出してから、暗く、鮮やかに仕上げるのが基本です。

これはどんな画材にも言えることなのですが、水彩画は特に注意する必要があります。

というのも、透明水彩は下地の色が残ってしまうため、いきなり濃い色を塗ると塗りなおしをできないからです。

塗り重ねて、直そうとすると色が濁ってしまうだけです。

白っぽい色に原色に近い色を載せると一気に鮮やかになりますので、焦らずに描きましょう。

④重ねて塗る場合は
乾燥を確認してから優しく塗る。

水彩画では良く、まだ乾かないうちに塗り重ねて滲みやぼかしの表現をします。

しかし、それ以外では、絵の具の乾燥を確認してから塗ります。

そうしないと色が混ざって濁ってしまい、鮮やかな絵を描けないからです。

また、水彩は乾いた後でも簡単に水に溶けるので、ゴシゴシと擦ると紙まで溶けだしてしまうので要注意です。

⑤鉛筆の下書きには、
手を抜かない

水彩画で風景を描く場合には下書きの線が大切です。

透明水彩では鉛筆線が透けて見えてみっともないことがあります。

例えば、空の雲のように線を見せない方が良い場合は、練りゴムで鉛筆線をできるだけ薄くしておきます。

一方、機械や建物では鉛筆線が残した方が絵が見栄えすることがあります。このように線をくっきりと見せたい時にはボールペンなどを使うこともあります。

このように透明水彩では、色付けの後で鉛筆描きの線を残すか、消すか決めて、処置をしておく必要がありのです。

鉛筆線を残す場合には、丁寧に描いておきましょう。

水彩画の描き方 6つの手法

水彩画の主な手法は次の6つです。これだけで、いろんな効果を出すことができます。

これらを使った表現を覚えると格段に腕が上がるはずです。

是非とも挑戦してみてください。このブログでも徐々にその例をあげてみたいと思います。

① ウェットインウェット

まだ前の絵の具が湿っている状態に次の色をのせます。
これによってにじみやグラデーションの表現ができます。

にじみ:

先に塗った絵の具が乾かないうちに次の色を重ねて色の混ざり合いを生かします。

この時わざと混ぜる部分とあまり混ぜない部分を作ることで自然な表現になります。

私は、建物外壁のしみの表現によく使います。

グラデーション:

上下にグラデーションになっている空の表現に良く使います。

最初に空全体に水を含ませておき、例えば上部に青、下部にベージュを塗り、境界には青を重ねてグラデーションを表現します。夕焼けですと、赤やオレンジ、黄色などを使います。

こうすると、色の境界が残らず自然な空になります。

②ウェットインドライ

乾いた部分に色を重ねることです。

乾いた状態に重ねて塗ることで、下の色に別の色を重ねて色幅を増やすことができます。

どんな色に変化するか事前に試しておくと良いです。

(下で紹介する本『混色テクニック』も参考になりますよ)

描いた部分が乾燥していても、何回もこすると下の絵の具が溶け出すことがありますので要注意です。

③ ドライブラシ

乾いた状態の上に水が混ざっていない絵の具を塗ることで、バラけた筆先を生かした表現ができます。

動物の毛や人間の髪の毛の表現に良く使います。

傷んだ硬い筆を1本用意しておくと良いですね。

④ ウオッシュ

筆に水を含ませて、一度塗った絵の具を部分的に溶かすことで、ぼかしを表現できます。

紙が傷つかない様に必要最小限にしましょう。

下手すると紙がボロボロと剥がれてきます。

ガーゼで吸い取る

雲を描写するときなどに使います。

白抜きする雲の周囲に空の色(例えば青)を塗って、絵の具がまだ乾かないうちに境界付近をガーゼで吸い取ることで、雲のぼかしを表現できます。 

ウオッシュを使った時にも試してください。

⑥ マスキング

水彩画では白は下地の白を使います。白い絵の具もありますが、下地の白にはかないません。

そのため、白で残したい部分をマスキング液やテープで覆っておくと、他の絵の具が付かないので、クリアに白を残せます。

荒技・カッターで削る

これは、マスキングでは残せないような小さい箇所を白く表現したい時に使います。

カッターの先端で絵の具と紙を削り取って光の反射などを表現します。

仕上げの段階で行いますので、慎重に狙いを決めて少しずつ。

透明水彩絵の具の混色

混色のテクニックについては、下の本で大変詳しく説明されています。よかったら、参考にしてください。

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最後に

下の絵は、私の好きな画家・奥津国道さんの水彩画です。

この方の「水彩画プロの裏技」という本はやや中上級者向けではありますが、私が水彩画を始めた頃にも大変参考になったので、ご紹介しておきます。

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感想(5件)

このページのように、他にもデッサン、水彩画、アクリル画、油絵について解説しています。

よかったら覗いてください。

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