”公募展の種類とその価値”を取り上げました。
どんな公募展に応募すべきか悩んでおられませんか?
公募展に出すには応募料、送料、額縁が必要であり、結構な出費になります。
どうせなら絵描きにとって意味のある応募にしたいものです。
プロの意見も参考にまとめました。
どんな公募展に応募すべき?
表記の質問をされる方によく出会います。
多くの絵描きさん達は、少しでも役に立つ公募展に応募したいと思っておられるようです。
大切なことだと思います。
しかし、実際に公募展はどんな価値があるのでしょうか。
以下は、私の経験やプロの画家さん達の話を元にまとめたものです。
プロの方々は個展に重きを置いておられるようですが、彼らも通ってきた道なので、有意義な話を聞けました。
公募展の種類は?
公募展は、いくつか種類があります。
応募費用がかなり高額になる場合もありますので、応募要領を見比べて自分の腕や狙いに合ったものを見つけて応募すると良いです。
大きく次のように分類されます。
- 作品のサイズ
- 画材・額縁の種類
- 応募料金
- 賞品や賞金の有無
- 作品の買い上げやオークション
作品のサイズ
二科展や県展など、有名な公募展は100号クラスの大きな作品を対象としています。
バブル時代の名残りという方もいます。
とはいえ、大きな作品は見栄えしますので、そこに小さい作品を応募しても勝負になりません。
たいていは、入選さえも難しいでしょう。
一方、20号や10号以下とかF4号やSM作品といった小型作品対象やサイズ限定の公募展もあります。
大型作品は運送費がばか高いので、残念ながら私は、大型作品を対象とする公募展に関しては自分で搬入できる近場の展にしか応募したことがありません。
当然。大きい作品は制作にかなりの時間を要します。
初心者のうちは小さいものからトライしてはどうでしょう。
画材・額縁の種類
まれに日本画専門の公募展がありますが、たいていの公募展は画材の種類を問いません。
額縁は仮縁(外枠だけ)でも本縁(アクリル版付き)でも問われないことが多いです。まれに仮縁指定の公募展があります。
本縁は高価なので、公募展には仮縁で出品しましょう。
応募料金
民間主催の公募展は数万円クラスです。また通常は、応募数が2点、3点と増えると料金もそれに準じて上がります。
県展など自治体主催の場合は応募料金は5000円以下かと思います。
中には応募料金は無料なんていう、心優しい公募展もあります。😂
先ほども述べましたように、郵送する場合には、さらに
『運送費』=「送料」+「主催者側の開封・梱包費」
が必要です。
特に、大型作品の場合には、通常、非常に高価です。
5万円と見積もられたこともありましたので、事前に十分にご確認ください。
賞品や賞金の有無
公募展によっては、数十万円の豪華な賞金がもらえるものもあれば、逆に賞状のみというものもあります。
作品の買い上げやオークション
優秀作品を買い上げてくれたり、オークションにかけてくれる公募展があります。
腕を上げてくると、こんな公募展に出してみてもいいですよ。
画題の制限
公募展には、モティーフの制限に違いがあります。
- どんなモティーフでも可というもの
中央の著名な公募展はこちらが多い - モティーフを限定したもの(○○市の風景など)
地方自治体が協賛するケースに多い
得意な分野に応募してください。
一口メモ(公募展の調べ方)
画材店に行くと公募展のチラシが置かれていたり、ポスターが貼られています。
ただ、近場の公募展が多いです。
もう少し調べたい時には、「サイズ」や「公募展」などの項目でNET検索すると見つけられます。
公募展に出品する意味とは!
ここからは、公募展に出品する意味・価値について書きました。
お金をかける以上は、誰しも価値のある活動をしたいと思いますよね。
『初心者〜中級者』と『中級者〜上級者』に分けてまとめています。
初心者〜中級者にとって
公募展とは
初心者から中級者にとって公募展に応募する意味は、次の3つかと思います。
- 思い出作り
- モチベーションの維持
- 腕試し
順に説明します。
思い出作り
立派な美術館などに展示してもらえると、忘れられない思い出になりますよね。
中には、上野の森美術館、国立新美術館などの著名な美術館で展示してくれるものもあります。
また、展示風景などをSNSに投稿すると、友人との話題作りにもなります。
『絵を描く喜びを得る』、これも大切なことです。
モチベーションの維持
絵画教室に通っていると、必ず絵を描く日が来ますので、私のように多少ズボラでも絵を続けやすかったです。
また、先生に指導されますので、いくらか上達も見込めます。
しかし、独学の場合は自分で自分を律するしかなく、強い意志がないと、なかなか絵を続けること自体が難しいです。
そんな独学の方にとって、公募展は大変ありがたい存在です。
それは、どんな公募展でも納期があるからです。
仕事や家事・子育てでどんなに忙しくても納期に間に合わせなくてはいけませんし、公募展に出す以上、中途半端に仕上げるわけにいきません。
なので作品制作に自然と力が入りますし、それが自然と新たな創造のきっかけにもなります。
常にグループ展や個展を開いている人には、考えられないようなことでしょうが、モティベーションの維持は初心者にとっては大変大事なことなのです。
腕試し
少し絵をやってくると、「自分は上手くなっているだろうか」、「自分のレベルはどのくらいだろう」と、思い始めます。
SNSなどで作品を投稿した時に、友人から身に余る褒め言葉😂をもらうこともあるでしょう。
しかし友人の温かいお言葉を、そのまま絵の評価として受け取るわけにはいきません。
そこで第三者の目である公募展の出番です。
最初のフルイ、まず入選を目指しましょう。
ただ公募展によって入選率がかなり違っています。
例えば、賞金や商品がある公募展は総じて出品作品のレベルが高いです。
ちょっと頭に入れて置いてください。
中級者〜上級者にとって
公募展とは
中・上級者になってくると、もう少し厳し目で公募展の価値を考えておきたいです。
公募展に応募する際の狙いや意味ですね。
次の4つを挙げました。
- 絵の仲間作り
- 受賞で自信・ハクをつける
- 作品の買い上げや賞金で黒字化
- ビジネスチャンスにつなげる
絵の仲間作り
公募展には多くの作家が出品していますので、絵の仲間を作って情報交換する良い機会です。
公募展に合わせて懇親会が開かれる場合がありますが、そういったものには積極的に参加した方がいいです。ここ数年はコロナで中止されてきましたが!
同じ志を持つもの同士の情報交換は大変有意義なものですし、良い刺激をもらえます。
例えば、自分の良い点や欠点に気づいたり、新たな画材や技法を知ったりと。
受賞で自信・ハクをつける
公募展の受賞で大きな自信につながることは確かです。
ただ受賞によって世間でハクがつくかといえば、それはどうでしょう!
例えば、芸能人や余程の腕の方とかでないと、公募展でハクがついて人気がでたり、絵が売れるようなことはないようです。
それに、一般の方にとっては『その絵を気に入るかどうかが大事』なのであって、作家の受賞歴に関心は薄いのです。
画商や百貨店の方たちも、個展を開く作家の公募展受賞歴については参考にする程度と言われています。
賞を狙うなら、大学受験と一緒で『傾向と対策』が必要です。
公募展の過去の作品を見て分析・研究すると賞を狙いやすいしょう。
受賞作品などは、ホームページに掲載されています。
審査員の講評にも大きなヒントがあります。
作品の買い上げや賞金で黒字化
作品の売り上げや賞金で黒字化なんてことになれば最高ですね。
ただ、公募展は展覧会の趣旨や審査員の考え方に左右されるので、絵が上手いだけで上位を狙うことはできません。
常連さんの中には狙って大きな賞を取れる方もおられるようです。
ビジネスチャンスにつなげる
私はまだこんな経験はありません。
しかし、中には公募展で知り合った仲間でのグループ展に発展したこともあるようです。
独自で個展を開催するのはハードルが高いですが、経験者にくっついてやるならなんとかなりますよね。
また一人で開催するには多くの手間や時間を取られますが、グループ展なら準備作業や接客を分担することができます。
グループ展を希望する方は結構おられるようです。
是非とも、人脈を作って生かしたいですね。
追加のお話・名刺の用意
絵の人脈作りのために、できれば絵画用の名刺を用意しておきたいですね。
このページをご覧の方は、多分絵画を仕事にしていないでしょうから、職業名刺しか持っておられないでしょう。主婦の方などは名刺を持っておられないですしね。
職業欄に画家とはかけませんので、自分の得意分野などを書いておくといいです。
私は、このような名刺を作っています。裏面はモノクロで、自己紹介欄にしています。絵画の経歴を書いておくと良いでしょう。
ホームページやSNSに投稿している方は、自身のQRコードをつけておきましょう。
urlから簡単にQRコードを作れますので!
ちなみに、私は下の会社にオンラインで発注しました。
ホームページにいろんなテンプレートが掲載されているので、それを使って好みにデザインできました。
100枚・1650円で1週間以内に入手できました。参考まで!
最後に
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
お金を払って応募する以上、できるだけ公募展を有効に利用したいですね。
私が応募した公募展について下のページに記載しています。
覗いてみてください。参考になれば幸いです。