”お遍路さんを描く”ため、四国巡礼の「風景画の旅」をしました。
四国88ヶ所を巡ったことはありますか?
今回は香川県の66番から73番札所を取り上げています。
見どころや特徴をご紹介しますので、絵にしたい風景を見つけに行きませんか!
油絵2点もご覧ください。
四国88ヶ所「風景画の旅」
66番〜73番札所
四国八十八ヶ所は、四国にある空海(弘法大師)ゆかりの88ヶ所の仏教寺院の総称です。
徳島県に1番札所があり、高知県、愛媛県、香川県の順番に番号がふられています。
香川県には66番から88番の23ヶ寺があります。
山上にある寺も多く、風景を楽しみながら巡るのが楽しみの一つです。
特に、あの白装束のお遍路さんたちに、何故か惹かれますね。
遍路一口メモ
少しづつ遍路のことを紹介していきます。
遍路の正装とは
白装束(白衣・びゃくい)が基本です。これを着るだけで気持ちが引き締まります。
白装束には清浄・無垢の意味があり、極楽浄土への回帰を祈る思いが込められてます。
昔の遍路旅は大変厳しいものであったため、不幸にして命を落としても、そのまま葬ることができることから始まったとされています。
白装束を着て、次を加えると遍路装束の完成です。
- 白い運動靴を履く
- 首から輪袈裟(わげさ)をさげる
- 手に金剛杖(こんごうつえ)を持つ
- 頭に菅笠(すげがさ)をかぶる
下の絵にその姿が見て取れます。
もちろん簡便に済ませる方も多く、洋服に輪袈裟だけを身につけている方も見かけます。
輪袈裟は仏教徒が身につける袈裟の一種で、首からかけるだけの略式化したものです。
詳しくはこちらをご覧ください。
遍路の持ち物とは
基本的な持ち物を説明します。基本的なものだけでも、いろいろあるでしょ。
- 念珠:数珠のことです
- 蝋燭と線香:本堂と大師堂で捧げます
- 教本:ご本尊さまとご大師さまにお経を奉納します
- 納札(おさめふだ):本堂と大師堂などに参拝した証として納めます
- 納経帳:御朱印(参拝証明)を記帳してもらいます
- 頭陀袋(ずだぶくろ):以上の品を収めておく袋で、同行二人と書かれています
- お賽銭:結構な箇所に納めますので準備を忘れずに
こんな絵を描きました
油彩で2点を制作しました。
68番、69番札所 納経所 F4
後述の通り、68番と69番札所は同じ境内にありますので、納経所が一ヶ所です。
ちなみに納経所とは御朱印を記帳してもらう場所です。
これを済ませ、一休みして次の寺へと向かいます。
お遍路さんたちが御朱印をもらい、さあ次へという一瞬を描きました。
73番札所 出釈迦寺・奥の院 P20
これは、出釈迦寺の奥の院です。
出釈迦寺自体も標高100mほどの高い場所にありますが、奥の院は我拝師山(481m)の山頂付近にあります。
奥の院までは歩くしかなく、しかも奥の院自体は札所ではないため、登る遍路さんは非常に少ないです。
しかし、ここは香川県の中では大変美しい紅葉が見られる場所です。
66番から73番札所の風景
絵をたしなむ者として、各札所の見どころを書いていきます。
「風景画の旅」の参考になれば幸いです。
66番札所 雲辺寺
雲辺寺(うんぺんじ)は標高927mの雲辺寺山の山頂付近にあります。
寺は徳島県の県境にありますが、香川県の1番札所です。
山麓から山頂までロープウェイで一気に登れますので、ご安心を。少し時間がかかりますが、車でも行けます。
時期的には紅葉シーズンがおすすめですし、冬の雪景色もいいですよ。
67番札所 大興寺
ここは雲辺寺とは打って変わって集落の中にあり、周辺は里の風景です。
近傍の集落を小松尾と呼び、小松尾寺という呼称で親しまれています。
おすすめは仁王門に置かれた運慶作の巨大な二つの金剛力士像と、仁王門を抜けた付近の景色です。
68番札所 神恵院
・69番札所 観音寺 オススメ
神恵院(じんねいん)と観音寺は、琴弾山の中腹の同じ境内にあります。門も供用しています。
おすすめは境内の風景です。
5月の連休に行った時には、サツキが大変美しかったです。
砂浜に形取った巨大銭形で有名な琴弾公園がこの近くにあります。こちらにもお立ち寄りください。
70番札所 本山寺
私が訪問した時にちょうど、バスの団体さんが来られて境内が賑わっていました。
ここは五重の塔がシンボルです。
また、江戸時代に建立された大師堂、十王堂、大日堂、宝蔵、鐘楼、大門、明治43年築の冠木門は、国の登録有形文化財です。
以上のように多くの貴重な建物が魅力の寺です。
71番札所 弥谷寺 オススメ
弥谷寺(いやだに)は山間にある寺で、仁王門から本堂まで540段の階段を登ります。
香川県内の八十八ヶ所の中では難所の一つです。
山歩きをしながらの風景を楽しみながら参拝してください。
72番札所 曼荼羅寺
ここは割りに新しい建物で境内も狭いので、風景画の観点からは今ひとつです。
73番札所 出釈迦寺 超オススメ
出釈迦寺の本堂はよくあるお寺ですが、ここは奥の院がおすすめです。
ただし、かなりの急坂を1時間ほど登る必要があります。
奥の院は「捨身ケ嶽禅譲」と言われ元は札所でした。
ここには弘法大師が真魚(まお)と呼ばれていた7歳の時の逸話が残っています。
真魚は我拝師山(がはいしさん)に登り、次のように述べて身を投げたとされています。
「私は将来仏門に入り、仏の教えを広めて多くの人を救いたい。私の願いが叶うなら釈迦如来よ、姿を現したまえ。もし叶わぬなら一命を捨ててこの身を諸仏に捧げる」
願いが叶えられて、羽衣を纏った天女が現れ真魚を救ったとのこと。
こんな逸話が残るほどの魅力がある場所です。
最後に
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
四国巡礼の遍路旅に興味が湧きましたでしょうか?
回り方は色々ありますので、体力・時間・資金から選んでください。
是非とも一度!
みなさん、こんな風にして回っておられますよ。
- 徒歩や自転車
- 車やバイク
- 巡礼ツアー
- 列車とタクシーの併用
風景画の旅を楽しんで
こんな風に国内外の「風景画の旅」をたくさん取り上げています。
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「風景画の旅」と言うテーマで、国内外の風景と自作絵画を動画にして紹介しています。
こちらもお立ち寄りください。お気に入りのモティーフが見つかるかも!
遍路旅香川県西讃バージョンも投稿済みです。