”油彩で小さい絵画”を描くのは得意ですか?
苦手な方もおられのでは。私もそうでした。
油彩は水彩やアクリルに比べて、細かい描写にはやや不向きですよね。
画材や描き方で、各段に描きやすくなりますので、ご紹介します。
私の小作品「日本の風景」も、ご覧ください。
こんな画材でこんな風に
”油彩で小さい絵画”
油彩の描き方は様々です。
太い筆やペインティングナイフを使ってゴシゴシと荒く描く方を良く見かけます。
また一方で細かくリアルな描写が好きな方も結構おられます。
私も細かい描写で風景画を描いています。しかし、最初は小さい絵が苦手でした。
なかなか細かい描写が出来なかったのです。
目の粗いキャンバスに剛毛の筆で、粘性の高い絵の具を塗るのですから、今から思えば無理もないことでした。
そんな時に緻密な絵を描く先生に画材や描き方を教わることができ、大変勉強になりましたので、ご紹介させていただきます。
皆様にも参考になれば幸いです。
おススメの画材と描き方
油彩で小さい絵画を描く時のポイントについて、画材と描き方の面からいくつかご紹介します。
キャンバスの下地について
張りキャンバスを使う場合、中目くらいを良く使うのでは!
細かい絵を描く場合には、これに、何層かジェッソ等を塗って十分に目をつぶしておいた方が描きやすいです。
私は、麻のキャンバスではなく、板に面100%の布を張って、ミューグラウンドという下地材をぬり、乾いた後で目の細かいサンドペーパーで表面を滑らかにしています。
こうしておくと、下地が滑らかなので細かい描写がやりやすくなります。
下地については、こちらに詳しく書いていますので、下のurlをご確認ください。
”油絵の下地”塗りはジェッソ、石膏?ミューグラウンドでしょ!
おすすめの絵の具
・ムッシーニ
ホルバインとかクサカベの絵の具が一般に画材店で売られています。
私も、これらの絵の具を使っていました。これらの絵の具の感想は各位にお任せします。
ここでは、私がテンペラ画を学んだ時に教わった、油絵の具「ムッシーニ(MUSSINI)」についてお話しします。
メーカーであるシュミンケ社の広告には、ムッシーニをこんな風に表現しています。
「シュミンケの最高級樹脂油絵の具ムッシーニは、業界の最高の水準を満たすべく、極めて特別なプロセスで製造されている世界的にみても比類ない油絵の具です」
とにかく発色が良いのです。
厚塗りしなくても十分な色味や発色が得られますし、絵の具の伸びも良いです。
だから、緻密な絵を描く時にはぴったりの絵の具と考えています。
一度試してみてください。
たった一つの難点が結構お高いということです。15mlのチューブで2000円クラス、中にはもっと高いものもあります。
下のお店が他よりも安いようですので、興味ある方は覗いてみてください。ちなみに、私はお店とは何の関係もなく、単なるユーザーです。🤗
おススメの筆
細かい表現には油絵で良く使われる豚毛などの剛毛は不向きです。
私は、水彩画用の筆を使っています。
ムッシーニを使って絵の具の伸びが良いので、水彩画に近い感じで描けるからです。
とは言え、所詮は油絵の具。水彩画と同じようにはいきません。
そこで、穂先の短い平筆を使うようにしています。平筆だと、面でも塗れるし、線もかけます。
ただ、軟毛で穂先が長いと油絵の具には向きませんので、ご注意を!
私は、コリンスキーフィルバートという筆を使っています。
これも先ほどの画材店で購入しました。いろんな筆がありますので、良さそうなのを使ってみてください。
描き方の工夫
描き方での工夫は、滑らかに描けるようにすることです。
油絵の具は粘性があるので、乾いた画面の上では滑りが悪いのです。
私は、先に溶剤を塗っておき、そこに色(なるべく原色)を塗るようにしています。
油絵の具と溶剤をパレット上で混ぜて塗っても良いのですが、画面が乾いている場合にはこの方が効果的だと考えています。
これによって、塗りやすさが向上しますし、油絵独特の質感も得られます。
溶剤には次のものを混ぜて使っています。
テレピン:リンシードオイル:樹脂ワニス=2:1:1
作品「日本の風景」
ー福家佳則
私の小さい作品の中から「日本の風景画」をピックアップしました。参考までにご覧ください。
自分なりにモデファイした風景を描きたいと思い、努力しているところです。
各作品について解説したページのurlを添付しています。
よかったら、そちらもご覧ください。
香川県の風景
春の里山(坂出市)F4
紅葉の結婚式(栗林公園)F4
夕暮れの駅(坂出市)F4
広島県・鞆の浦の風景
鞆の浦港(福山市)SM
茶店の風景(福山市)F4
沖縄県・離島の風景
川平湾(石垣島)F3
”石垣島と周辺の島々”を巡り、絵を描く、おすすめ「風景画の旅」
竹富島の民家① SM
沖縄の原風景”竹富島を描く”絵になる風景を探し「風景画の旅」
竹富島の民家② F4
最後に
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
少しでもお役に立てれば幸いです。
前回も同様に「小さい絵・ヨーロッパの街」編を投稿しています。下のurlからご覧ください。
”油彩でF4号以下”にヨーロッパの街を描く!ポイントと作品例