”ストラスブールを描く”「風景画の旅」をしませんか!
この街はフランスとドイツの国境・アルザス地方にある大変美しい街です。
ご存知でしょうか?
このページでは、両国の文化が入り混じった、独特で素敵な風景をご紹介しています。
自作の油絵2作品も掲載しています。
ストラスブール「風景画の旅」
ストラスブールはフランス北東に位置するアルザス地方の首府です。
アルザス地方は、ライン川に沿う平原地帯です。
ライン川はドイツ、オランダを経て北海に流れ込んでいることから、古くから海運に利用されてきました。
また、ストラスブールの語源は、アルザス語で「街道の街」です。
このように、アルザス地方は、道路・河川の交通の要衝でもありましたし、ドイツとスイスに国境を接していたため、何世紀にもわたってドイツとフランスに代わるがわる統治されてきました。
ドイツ・フランス文化が入り混じった、この街独特の文化や景観は、その歴史によるものです。
こんな絵を描きました
ストラスブールのこんな風景を作品にしました。
グランディル一景 油絵F4
プティット・フランス付近、ボン・クヴェール橋の下流を油彩で描きました。
「歴史遺産の前で子供達がカヌーを楽しんでいる」、一見ミスマッチですが、長い歴史の流れを感じました。
ノンシュタットの一景 油絵SM
遊覧船から見たノンシュタットの風景を油彩で描きました。
ホテルでしょうか。住居でしょうか。こんなところに住みたいですね。
ストラスブールとは
ストラスブールはこんな街
パリから日帰りで訪問
ストラスブールはパリから約500kmの位置にありますが、高速鉄道・TGVで1時間50分で行けます。
アルジェリアに在籍していた時に、フランス人通訳からオススメの場所として紹介され、パリを拠点にして一人で日帰りで訪れました。
帰りは夜の電車でした。
日本と違って電車の時間がややルーズと聞いていたので、帰りの便では電光版を冷や冷やしながら見ていました。幸いにも、ほぼオンタイムで発車してくれました。
フランス語の電子辞書を持っていたので、電光版の意味を理解できて助かりました。
かいつまんで街を紹介
人口は28万人ほどの小都市です。
ストラスブールの中心地は、イル川の中洲であるグランディルという、1km四方ほどの島とその周辺です。この中洲とその周囲に観光やショッピングスポットが集中しています。
イル川はライン川の支流になります。川というよりも運河という表現の方が似合っています。
ところで、ストラスブールには世界遺産があります。
一つ目は、グランディル(旧市街)です。
ストラスブール大聖堂やアルザスの伝統家屋が密集したプティット・フランスなどがあり、こちらが先に登録されました。
二つ目は、ノンシュタット(新市街)です。アルザス地方がドイツ領であった頃に造られた街です。
ということで、街全体が世界遺産です。詳しくは後ほど。
- ストラスブール駅
- プティット・フランスやヴォーバン・ダム
- ストラスブール大聖堂
- 遊覧船乗り場 →船の進行方向
- ノンシュタットエリア
ストラスブールの見どころ
ストラスブール中央駅
TGVの停車駅です。カッコイイでしょ。
ガラスですっぽりと覆われた駅舎で、歴史的建造物に指定されています。
冬には有名なマルシェ・ド・ノエル(クリスマス市)が、ここにも立ち並びます。
駅を降りるとすぐそこに世界遺産の街並みがあります。
さあ、グランディルから歩き始めましょう。
ヴォーバン・ダム
ヴォーバン・ダムは軍事防衛施設として17世紀に建設されました。要塞化されたダムであり、屋根付きの橋でもあります。
このダムは、中洲・グランディルの南西側の防衛拠点であり、敵から水上攻撃を受けた際に水門を開けて南側に洪水を起こすことができました。
内部を通ることができますので、是非とも渡ってください。
ここから、後述のクベール橋やプティット・フランスの家並みを鑑賞できます。
ポン・クヴェール橋
ヴォーバン・ダムの下流側に位置しています。
三つの橋と三つの塔からなります。1250年に完成しました。
塔はダムと同様に、軍事防衛用の施設でした。
人気の撮影スポットの一つです。
プティット・フランス
超オススメ
可愛い建物が並ぶプティット・フランスは、元はなめし革職人の居住地区でした。
小水路が入り組んだ場所にアルザス地方・伝統の木組み(コロンバージュ)の家が密集しています。
アルザス地方には近くにヴォージュ山脈があり、木を使った建築が根付いたのかもしれません。
木組みの家は、1階を作ってから、2階、3階と順に積み上げて組み立てます。
大抵の家屋では2階より上の部分が道路側に張り出しています。
これは、「1階の大きさで税金が決まったため」とも言われています。
また、木組みの家は簡単にバラしたり組み立てたりできるので不動産でなく動産として登録されます。これも税金に関係しそうですね。😂
話は変わりますが、「アルジェリアでは建物が完成した時点で税金が発生する」とのことで、多くの家がわざと途中で工事を止めていました。2階の鉄筋が剥き出しになっていたりして。
税金対策は市民の知恵ですね。(笑)
ところで、ストラスブールは戦火に見舞われたため、現在の木組みの家は古い伝統家屋を模して新たに作られたものです。
木造家屋は石造と違って短い期間に修復が必要になりますので、維持管理が大変であろうと思います。皆さんのご努力に敬意を表します。
ノンシュタット
新市街の街並み
ノンシュタットはアルザス地方がドイツ領であった、1870年(普仏戦争後)から1918年(第一次世界大戦後)に造られた新市街です。
ということで、新市街とは言えかなり100年以上前に造られた街です。
中洲・グランディルの北西に位置しています。
広い道路、ネオゴシック様式の教会やドイツ風の住宅が迎えてくれます。
写真正面のサン・ポール教会もその一つで、遊覧船からもノンシュタットを楽しむことができます。
後述の欧州議会議事堂もノンシュタットにあります。
花が素敵な街
この写真のように街の至る所に花が飾られています。
美しい花を楽しみながら散策してください。
なお、この景色は6月中旬に撮影したものです。
ストラスブール大聖堂
などの宗教遺産
ストラスブール大聖堂は、グランディルにあり、街のシンボル的存在です。
高さ142m、超高層ビル並みの建造物です。
11世紀に建設が始まり、現在の姿になったのは15世紀です。
ヴォージュの山の赤色砂岩が使われており、その色合いと繊細な彫刻から「薔薇色の貴婦人」と称されています。
ご覧のように尖塔は片側しかありません。これは、地盤が悪かったためとか。中洲ですもんね。
聖堂内には人の人生を表現した、高さ18mの「天文時計」が設置されています。
キリストと使徒たちが演じる「からくり時計」が12時30分に動き出します。
是非とも、聖堂内も鑑賞ください。
トラムが走る街
1994年からトラムが運行されています。
その後、拡張・延伸されて、2018年11月現在では7系統、67.8kmの路線となっています。
斬新なデザインのおしゃれな車両が走っていますよ。
街にトラムを導入するとき、同時に都市再開発を実施しており、新交通による街作りの先進事例になっています。
近年では、公共交通の利用者が増えているとのこと。
地方都市ではあれ、こんな素敵な都市づくりをしていることは素晴らしいですね。
日本では、都市鉄道の場合、地下化や高架化されることが多いですが、私、『トラム鉄』は、こんな街が大好きです。
川を遊覧船で
超オススメ
遊覧船はグランディルをぐるっと回ってから、ノンシュタット(新市街)を川上に向けて走ります。
欧州議会議事堂前からU-ターンして戻ってきます。
およそ70分の船旅でした。
ストラスブールへお出かけの折には、是非ともご利用ください。
効率的に街を味わえます。
話は変わりますが、ここの水路には閘門が設けられており、水位の異なる運河を船が通過できるようになっています。
下の写真は閘門内の水位が下がって、これから前方に出ていくところです。
壁に水の線が残っているでしょ。ちょっと不思議な体験でした。
欧州議会議事堂
ストラスブールは、先ほどから書いていますように、先の大戦の象徴的な場所です。
それで、ここに欧州議会や人権裁判所が置かれたようです。
これ写真は欧州議会の議事堂で、議事堂はガラス張りのクールな建物です。
最後に
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
ストラスブールはいかがでしたか。素晴らしいでしょ。
パリからの日帰りでも何とか回れますので是非ともお立ち寄りください。
こんな感じで、他にもいろんな「風景画の旅」をご紹介していますので、そちらもご覧いただくと幸いです。
Youtubeでもご紹介
Youtubeでも「風景画の旅」を紹介しています。
こちらには、いろんな風景を載せていますので、さらに楽しんでいただけると思います。
ストラスブール編もできています。