”油彩で乗り物を描く”と題し、自作の風景画で構成しています。
乗り物が入った風景画は魅力的ですが、乗り物の構造が複雑で描くのが面倒です。
しかし、乗り物は風景画に生活感などを与えてくれます。
「乗り物と風景画」について、プロ・中西繁さんの教えを引用しました。
「福家佳則」風景画作品集 乗り物編
乗り物などの機械類は姿・形に細かい特徴があります。それが、魅力でもあります。
しかし、風景画では普通、乗り物は小さい絵になるので描き切れるものでもありません。実際、細かく描くのも大変です。
しかし、特徴が正しく表現されていないと、それらしさが伝わりません。
面倒なので、乗り物を外そうと思ったこともあります。
プロの画家「中西繁さん」は乗り物をどのように捉えて、描いているのでしょうか。
”油彩で乗り物を描く”ポイント
油彩画家・中西繁さんは素敵な街の風景をたくさん描いています。
中西さんは自動車や自転車を絵の小道具と捉えており、次のような考えで積極的に取り入れています。
- その街ならではの特徴的な乗り物を入れると、街のイメージを表現しやすい。
- 見どころの少ない風景に、バイクや自転車などを入れると生活感が出る。
そして、中西さんは「これらの小道具は風景画の点景にすぎないので、省略して描くことが大事。」とも述べています。
車、スクーター、自転車について、描き方のポイントを解説していましたので、少しご紹介します。
車の描き方
- 車の窓とタイヤ、そして車体の下にできる影を黒や濃い青で描き、車体の色を塗る。それだけで車らしくなる。
- 車体を赤や青にすれば、絵の中でアクセントになる。
- 雨や夕暮れなら、ヘッドライトを黄色で描き込み、テールランプを赤で塗る。
- 夜なら、ヘッドライトに照らされた明るい路面にする。
スクーターの描き方
- 描くのは手間がかかりそうだが、ボディ、ハンドル。車輪、座席、ヘッドライトとパーツに分けて描けば難しくない。下書きをしておく。
- 車体の照りを明るい色で描き入れるとリアルになる。
自転車の描き方
- 自転車は線だけで描ける。車輪の細いスポークは描かなくて良い。
- 背景が暗ければ自転車を白を基調にして描く。背景が明るければタイヤを黒く、スポークには固有色をつけて描く。
- 直線は線引き棒を使って描く。
簡略しているけどリアル!そんな絵が理想のようです。
<<参考図書>>
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自作の風景画作品をご紹介
ここからは、自作の絵画をご紹介させていただきます。
ざっと眺めてもらえれば。
ただ、私の絵は少し描き過ぎているのかもしれません。
車やバイクを入れて描く
これまで街の風景を描くことが少なかったので、車を入れた絵は少ないです。
中西さんを見習って、生活感の溢れる絵を描きたいものです。
理髪店とバイク
高松の商店街にしゃれた理髪店があります。
お店の前にはかっこいい大型のバイクが置かれています。
750ccくらいでしょうか。
バイクは構造が複雑で結構面倒でした。😂
フェリー乗り場の乗り物
尾道と向島を結ぶフェリー乗り場の風景を描きました。
背景を白っぽくして明暗と彩度の対比を出すようにしました。
雨上がりの朝の活気や生活感が伝わればいいですが。
古い家並みと車
ドイツ・ローテンブルクで見かけた家並みの風景です。
車を描くなら、かっこいい車でなく、古ぼけたトラックとか、バスがいいですね。
今度挑戦してみます。
電車を入れて描く
私は「鉄ちゃん」ではありません。ただ、電車、特に路面電車・トラムが好きです。
仕事で広島、高知などを訪問した時には、トラムの写真をたくさん撮ってきます。
ただ、なかなか描きたいモティーフが見つからないです。上手に電車を入れて描きたいですね。
近日中に松山へ行くので、再度トライしてみます。
電車が走る山間の町
長野県の風景をいくつかミックスして描きました。
光が強くなり始めた朝の様子を描きました。
電車も細かい部分をどこまで描くのか悩みますね。遠近も表現する必要がありますし。
古い街とトラム
ドイツ・ヴェルツブルクの風景です。
カラフルなトラムと古い町並みが印象的でした。
街のイメージを表現するのにピッタリかなと思いました。
夕暮れの駅に電車
田舎にある駅の夕暮れの風景です。
夕焼けの色を少し鈍くして、もっと電車に目がいくようにすべきだったでしょうか。
船を入れて描く
船はどことなく郷愁を誘われるモティーフですね。
乗り物の中では最も多く描いています。
古い港とヨット
旧マルセイユ港の夕方の風景です。
豪華なヨットが湾内に所狭しと並んでいる風景に魅了されました。
ヨットが並んだ風景は表現が難しいですが、迫力がでます。
のどかな港に漁船
福山市鞆の浦港の風景です。
ここは、ジブリ映画”崖の上のポニョ”のイメージに使われた場所だけあって、港の風景はどこか魅力的です。
船は割りに構造が単純なので描きやすいです。
サンゴの海と遊覧船
石垣島の川平湾の風景です。
海がサンゴの死骸でエメラルド色に染まって見えました。
島の色が遠近を感じられずに面白くないですね。変えてみます。(笑)
最後に
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
中西さんの教えに従って、風景画に上手く乗り物を取り入れて行きたいものです。
他にも、自作の風景画を登録しています。
併せてご覧いただくと幸いです。花や四季の風景、外国の風景もあります。