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油彩で花と街の風景を描いています

”技術者からシニアの画家に”なぜ?どうやって絵を?現在は?

”技術者からシニアの画家に”なった、私の話しです。

退職後に、のんびりと暮らさないで、

なぜ画家を目指した?

どうやって画家になれた?

現在、どんな風に活動してる?

僭越ながら私の経験談をまとめました。

日曜画家さん、またシニアや予備軍の方に読んでもらえると嬉しいです。

技術者からシニアの画家に生まれ変わった

技術者からシニアの画家に生まれ変わった!

私は現在71歳です。

定年退職が近づいた50歳代の半ばから、絵をやっています。

若い方々からすると、「もういい歳なんだから、好きな絵を描いて、のんびりと暮らしていけばいいじゃない」と思われるかもしれません。

ここで、ちょっと話は変わりますが、ある巨匠の興味深い発言を紹介します。

それは、日本画家の巨匠・奥村土牛が80歳代半ばに語った言葉です。

今でも絵の仕事をしている間は(気持ちは)20歳代と変わりなく、少し病気で10日も寝ると老人になります。
私は今仕事をするだけで生きています今になって分かった事や分かりかけた事を余命のある限り仕事にしてみたいと思います。


そうなんです、シニアになっても心は若いままなのです。

当然、40歳代、50歳代の方々も、そう思っておられるでしょう。

心は、身体と一緒には老いていかないんです。

皆さんも、「まだまだこれから」と思っているはずです。

そして誰でも、これからも若い頃の様に輝いていたいと思っておられるはずです。

しかし、そう簡単ではありません。

特に勤め人には、定年退職という、乗り越えなければならない大きなハードルが訪れます。

この時に、老いを現実のものとして知ることになります。

フランスの社会学者・ボーボワールは著書『老い』の中で、「定年は社会的な死である(自営者は緩やかに社会的老いを迎える)」と断言しています。

生まれかわって、そこからもう一度人生をやりなおさなければならないのです。

といっても、生まれるのは、まだ脳の発達していない本当の赤ん坊ではありません。

すでに成功や挫折、喜びや悲しみを体験し、多くの経験や知識をもったまま生まれ変わらなければならないのです。

だから、余計に始末が悪いのです。

技術者からシニアの画家に生まれ変わった

私が画家を目指すまで

私事で恐縮ですが、私が画家を目指すきっかけなどをご紹介させてもらいます。

私は、以前、建設会社で山にトンネルを造る技術者として働いていました。

道路や鉄道が山に入る時に出くわすアレです。

工事中には、皆で協力して完成という同じ目標に向かっていくため、楽しい日々でした。

自然相手でリスクの多い困難な仕事でしたが、その分やりがいを感じていました。

完成した時には大きな達成感を味わえましたし、次はもっとビッグな仕事をしたいという目標もありました。

しかし当然のことながら、引退後には、それら全てがなくなってしまったのです。

本当に大きな喪失感で、鬱になりそうでした。

技術者からシニアの画家に生まれ変わった
トンネル掘削状況ー清水建設提供

ところで、引退後も退職前に始めた絵を続けていました。

もっと上手くなりたいという気持ちはあったので、絵画教室に通ったりして熱心に絵を描いていました。

絵を描いている間は余計なことを考えずに済むので、少しは心が和らぎました。

しかし、それだけでは十分に空虚さを埋めることができませんでした。

そんな時、哲学者・三木清の言葉の言葉に出会いました。

娯楽は単に消費的、享受的なものでなく、生産的、創造的なものでなければばらぬ

要は、「単に遊びとしてやるのでなく、有益なもの、独創的なものを生み出して、社会に貢献しなければならない」と語っていたのです。

それを生活の一部にすべき」とも

これを逆に捉え、「自分は絵を消費的・享楽的に捉えているから満足できないんだ」と気づきました。

要は、私の絵画活動は生活からの逃避でしかなかったのです。

そこで、明確に画家になろうと決心した次第です。

しかし、一言で画家と言ってもピンキリです。

美大も出ていない人間が、簡単に著名な画家になれるわけがありません。

また、目標が大きすぎると断念しがちです。

一方、目標が不明確でもズルズルとなりがちです。

そこで、私は「まず70歳までに、安価でも良いので絵を買ってもらえる画家になる」と決心しました。

ある程度の画力はついていましたので、なんとか実現しそうではありました。

しかし、いくつも超えなければならない山があり、また、当時の自分では気づいていない山もありそうでした。

このように絵に取り組んだ

こんな絵を描いています

私は、最初から風景画ばかり描いてきました。

というのも、自分には抽象画を描けるほどのは発想力はないと感じていました。

元技術者ですしね。

一方、人物画や静物画の場合は、絵にしたくなるようなモデルや品物が必要です。

なので、旅好きだったこともあり、旅で出会った素敵な風景を描こうと決めました。

画材は、油彩です。水彩から始め、次にアクリルも経験しています。

自分の絵を求めて3つの画材を彷徨いましたが、油彩に落ち着きました。

いろんな風景を描いてきましたが、現在のモティーフは「花と街の風景」です。

花と言っても、花瓶に入ったものではなく、こんな花畑の風景です。
※絵をclickして詳しく

技術者からシニアの画家に生まれ変わった
作品「海辺のマーガレット」

街の風景は、国内外の実際に訪問した場所の風景です。
※絵をclickして詳しく

技術者からシニアの画家に生まれ変わった
作品「夏に南仏の港町を巡る」

カラフルな色使いが私の特徴だと思っているので、色に変化がある風景を好んで描くようにしています。

テンペラと油彩の混合技法を使って柔らかい絵にしたり、アルミ箔を散らして光を表現するなどしています。

優しくて癒される風景画を、そして心の風景・心象風景を描くことが、私の願いです。

こんな風に学んだ

私は、転勤があったりして、いろんな絵画教室で学びました。

しかし、どこの教室でも先生が時々回ってきて簡単な指導をしてくれたり、たまに描き足したりしてくれるだけでした。

確かに絵は段々と上手くなるのですが、「この絵は先生の絵でしかない。こんなことでは永遠に画家にはなれない。」と焦りました。

というのも、画家になる以上は、他の人と違う独創的な絵を描かなければならないからです。

上手い画家は、たくさんおられます。

そんな中で自分の絵を選んでもらい、お金を払ってまでお求め頂かないといけないのです。

そこで一念発起、一から絵を学び直すことにしました。

話は変わりますが、私は、建設会社勤務時代に新技術開発を担当したことがあります。

その時には、現状の技術的課題や周辺技術を知ってから、求められる新しい技術を開発していました。

新しいものは、知識と正しい現状分析の上に生まれてくると考えていました。

なので、絵に対するアプローチの仕方も同じ様にしようと考えました。

例えば、美術館に積極的に通って、古典から現代作品まで、たくさんの絵を鑑賞しました。

絵画のテレビ番組もできるだけ見るようにしました。

そうして、現代の人がどんな絵を求めているか、また必要としているかを知りました。

一方、絵画の画材や描き方の基礎、色彩や「光と影」とか構図のこと、テンペラや箔のことなどを一通り教わりました。(後述のNACにて)

イギリスの大学に夏季短期留学して、創造的な絵を描くことの基礎を学びました。

時間はかかりましたが、それらを組み合わせることで、やっと「自分らしい絵」、そして「求められる絵」を描けるようになってきました。

絵の学び方は人それぞれだと思います。

私は、技術屋なのでこんなアプローチになりました。

しかし、私にはこれしかなかったと思っています。

自分の絵を見つける

自分の絵を見つけるには、私は「個展」が最も良いと思っています。

役者さんが時々「舞台が役者を育てる」とおっしゃいます。

どんなに舞台裏で練習するよりも、舞台に出て観てもらい、客の反応を知ることが大切だとも!

絵画の個展も一緒です。観客が育ててくれるのです。

個展を開催し、多くの方に見てもらうには、少なくとも、その時点で自分なりに納得できる作品を制作しなければなりません。

まず、それ自体がステップアップのチャンスです。

そして、個展中には様々な方と絵のお話をして、自分を見つめ直すことができます。

確かに、中には「おせいじ」を言ってくれることも多々あります。

しかし、本当に気に入っていただいた方は目の輝きが違っており、絵を心から愛しんでくれます。

さらに、絵を購入していただけることもあります。

絵を買ってもらえることは何よりも作品への最大の評価です。

私も2回の個展(うち1回は2人展)で8作品をお求めいただきました。

購入者様などとお話しすることで、「自分の絵のどこを気に入ってもらえたのか」を知って、自分の絵の方向性を再確認してきました。

再確認と言っても、いきなり「猫の絵が好きな方が多かったので、私もこれからは猫を」なんていうことではありません。

自分の画風とお客さんの求めるものを擦り合わせ、さらにブラッシュアップしていくということです。

なので個展は画家として成長するための、またとない機会なのです。

ただし、売れる、売れないは、絵の評価だけではないと言われています。

会場や展示方法にも影響されますし、広報次第で変わることもあります。

一喜一憂しないことが大切です。

生意気なことを語ってきましたが、私が個展を開き出したのは、ほんの1年前!

個展を開くにあたっては、黒沼大康さんの「個展の開き方講座」で学びました。

  • 絵がどのレベルになったら個展を開けるか
  • そのための絵の改善方法
  • どんな人が買ってくれるか
  • 個展の準備(会場選び、作品準備、広報など)
  • 会場での展示・接客方法
  • 売れた時の対応  など

闇雲にやっても成果を得にくいので、こう言ったことを知っておくと、良い成果を得られやすいと思います。

※購入者様が自宅での展示風景を送ってくれました。

技術者からシニアの画家に生まれ変わった 技術者からシニアの画家に生まれ変わった

理想的な活動をする

私はここ3年間、NAC(Next Art College)というコミュニティで活動しています。

すでに画家として活動している方や画家を目指す方の集まりです。

この組織では、絵のことはもちろん、webでの広報の仕方など、絵に関する様々なことを学ぶことができます。また、ホテルでのグループ展を体験できたりします。

その代表者の一人でもある黒沼さんは、「望んだように作家活動をするには、次の3つが大切」と語っています。

  1. 常に良い情報を仕入れる
  2. 自分にマッチした方法で活動する
  3. コネクションを持った人と繋がる

私もそうだと感じています。

これまでも、画材の最新情報であったり、新しい販売の仕方やsnsでの広報の仕方など、常に新鮮な情報を得て、それを自分なりに取り入れてきました。

また、知り合った方と二人展やグループ展を開催したり、懇親会で情報交換をしてます。

おかげさまで、コネクションも広がり、そのコネクションを生かせつつあります。

それらは自分の画家活動に大きな影響を与えていると思っています。

今後もますます発展させていきたいと思っています。

※二人展での画家仲間との懇親会の様子です。

技術者からシニアの画家に生まれ変わった 技術者からシニアの画家に生まれ変わった

最後に

先ほども述べました通り、私はNACという組織に所属しています。

そこには、かなり前方を走っている方もいれば、ほぼ自分の前後を歩いておられる方もおられます。

また、各自で到達したい世界が違っています。

ただ、皆さん、現状に満足せずに、目標を持って前に進もうとしておられます。

なので、みなさん輝いて見えます。

シニアになると一気に世間が狭くなるので、そんな方達と気軽に触れ合えるのは大変ありがたいことです。

また一方で、多くの方々が改善したい自身の課題を持ち、その手法を身につけたいと思っておられるようです。

そんな一面に気づくと、悩んだり、もがいたりするのは自分だけではないんだと救われ、励まされます。

日本では絵を買う習慣に乏しく、絵を買ってもらうことは容易なことではありません。

仲間と目標や悩みを共有しながら頑張っていくことも大事だと思っています。

技術者からシニアの画家に生まれ変わった
NACの大阪懇親会

このように、他にも絵についていろんなカテゴリーの投稿をしています。

例えば、こちらでは「絵が上手くなるポイント」について取り上げています。

絵画上達のポイント

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ABOUT US
グランFgranf1765
第二の人生に入り、軽い仕事をしながら、風景画を描いて過ごしています。現役の時に絵画を始めてから早10年以上になります。シニアや予備軍の方々に絵画の楽しみを知っていただき、人生の楽しみを共有できればとブログを始めました。