”絵画の色使い”重要な5つのポイントとは!
”絵画の色使い”は、絵を描く上で大変大切な要素です。
初心者のみなさん、色使いに自信はありますか?
と言われて、もちろんと答えられる方は数少ないはずです。
ここでは、絵画の色使いについて、基本中の基本を解説しました。
これを実践するだけでも、きっとあなたの絵が格段に違ってくるはずです。
絵画の色使い、基本中の基本!
初心者の方には少し理解しにくいところがあるかもしれませんが、大切な話なので、是非とも最後までお読みください。
目で見る色とは何なのか?
色を目で見るためには、光が必要です。つまり、色は光の反射なのです。
世界は、光源と周囲の環境に反射した光によって色付けされています。
なので、見た目は絶えず変わっていきます。
例えば森の中ですと、「太陽の光」や「森の葉っぱなどに反射した光」によって照らされた物体を見ているわけです。
「太陽の光」が直に当たっているところはやや白っぽく、それ以外はやや青や緑っぽく見えるはずです。
「物体が持つ固有の色相」と「光の加減」によって、膨大なバリエーションの色が作られるわけです。
人の目が認識できる色の数はなんと700万にも及ぶとのこと。
すごいですね。

絵を描くとき色使いが最も難しい
色には700万ものバリエーションがあり、絵を描くときには色の扱いが最も難しい要素だとされています。
今では、スマホで誰でも簡単に美しい写真を撮れます。
しかしパレットで700万もの色を再現するのはまず不可能ですし、徒労に終わるだけです。
また、見る人を納得させる絵を描くには、目にみえる色と一致させるだけでは不十分なのです。
それだけでは、スナップショットの写しです。
かつては、意図的にわずかな色数だけで絵を描いていた時代があります。
顔料が高価で、手にしずらかったのも、その一つの要因でしょう。
それに加えて、限られた色数なら色の扱いを習熟しやすく、狙い通りの成果を得られやすいというメリットもあったはずです。
しかし、現代ではより多くの画材が安価?に、容易に手に入れられ、以前よりも効果的に色が使われるようになっています。
また、水彩画、アクリル画、日本画、油彩画など、画材の選択も自由です。
それに、過去から現代までの作品を容易に見ることができます。
なので、私たちは常に、無数の手法、色塗りのテクニック、カラーシステム、色の選択肢などの存在を意識せざるを得なくなっているのです。
それでは、700万にも及ぶ色にどう対応したら良いのでしょうか?
目的に合致した色の調和
アーティストの目的に合致した、色の調和が必要なのです。
作品全体の理屈に合った、その場所に適した色でなければならないのです。
ただ単に似せた色を塗るのではなく、色について計画性が求められるのです。
すなわち、色の明度、色相、寒暖、彩度について自問を重ね、色調を正確に識別し、調和した一連の関係性を作り上げなければなりません。
論理と秩序が作品を満たしたときに初めて、本質的な視覚情報を鑑賞者に伝えるようになるのです。
色の正確さが問われるのは、それが全体的な構図の中で意味を持つ場合だけなのです。
あくまでも、全体的な色の関係性を念頭におきながら、真実味を作り上げていくのです。
20世紀初頭にパリで活躍した画家、ピエール・ボナールは次のように語っています。
「絵画とは小さな嘘をいくつも重ねて、大きな真実を作ることである」
まさに、その通りだと思います。
色を選別するこのプロセスは、最初は大変難しいことですが、良い作品を制作する上では避けて通れないことなのです。
このようなことを成し遂げるためには、アーティストはものの見方を人間の機能としての見方から、アートとしての見方に変える必要があります。
一見したところでは単なる固有色に見えるものでも、微細な色の変化さえも見つけられなければならないのです。
これができて初めて、目を見張るような色の世界へとやっと一歩を踏み出せるわけです。

絵画の色使い ・5つのポイントとは
色の基本とは
色の基本を知っておくことは大変重要なことです。
色は、赤、青、黄の3つの原色からなります。
赤、黄、青をさまざまな分量で混合することで、2次色、3次色を作れます。
まず色相環を見て基本的な色の情報を確認しましょう。
ここには、大切な情報が詰まっています。簡単にいくつかご紹介します。
- 色相環の上に行くほど明るい色
- ”赤紫・紫・青紫”など、隣り合った色は類似色(後述)
- 反対側にある色は補色(後述)

さらに、色には明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)、寒暖といった指標があります。
これらについては、下記のページでも詳しく取り上げていますので、是非ともご覧ください。
きっとお役に立てるはずです。
”色相・明度・彩度”を使いこなして、立体的で鮮やかな絵を!
”絵画の色彩を分析”初心者へ、絵画の上達の近道です!
”色相・明度・彩度”![]() |
”絵画の色彩を分析”![]() |
5つのポイントとは
色相環を使いこなす
以下にはいくつかのポイントをご紹介しています。
是非とも制作時に実践してみてください。
1. 鮮やかさを操作したいとき
色相環にある色は最も彩度(鮮やかさ)が高い状態です。
絵全体に原色塗ってしまうと、落ち着かない絵になります。
そんな時には、色相環の反対側にある色(補色)を少しずつ混ぜます。
そうすると、だんだん彩度が低くなります。
ついには、グレー・無彩色になります。ただし、隣など近い位置にある色同士(類似色)を混ぜても、鮮やかさを失いません。

2. 明るくしたい時や暗くしたい時
明るくしたい時や暗くしたいときに、単純に白や黒を混ぜてはダメです
明るくしたい時に白を混ぜると、寒色寄りになります。
もちろん、それを狙うときは別ですが!
一方、暗い色を作るときに黒を混ぜると、鮮やかさが失われます。
赤に白![]() |
赤に黒![]() |
明暗を変えたい時には、同系色の範囲で変化させるべきなのです。
例えば、赤を明るくするには黄色やオレンジに寄せます。
赤を暗くするときは紫に寄せます。
色にはそれぞれ明度があります。
色相環で言えば、下から上に向かうほど明るい色です。
明るくしたい時には、上側の色を混ぜ、暗くしたい時には、下側の色を混ぜます。
赤に黄色を![]() |
赤に紫を![]() |
このように同系色の範囲で変化させることが、現実に見られる奥行き感や複雑さを表現する唯一の方法です
色の鮮やかさを変えることなく、色を明るくしたり暗くしたりするのは、色の関係性をきちんと理解していないとできないことです。
3. 色の寒暖差を利用する
赤・オレンジの範囲にあるのは暖色、青・紫に近いのは寒色です
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同じ青という寒色でも次のように変えることができます。
例えば、静物画を例に取ります。
- 青いガラス瓶を最も彩度の高い色相にする。
- テーブルの反射光は補色を混ぜて同じ寒色でも瓶よりも弱い色調にする。
- テーブルクロスはやはり青みがかった色ではあるが、透明な暖色を重ねて反射光や瓶よりも冷たさを弱める
こんな具合でしょうか!
複数の色配置を使いこなす
今度は、色の配置の話です。

1. 色相環の反対側にある色と組み合わせる
例えば、青と橙、赤と緑などが当たります。
この配色では、はっきりとしたコントラストが生まれます。ですから、何かを目立たせたい場合に使うと良いでしょう。
一方の色を背景として、もう一方の色をアクセントとして使うのが理想です。
また、ここで明色と暗色、暖色と寒色を活用しても面白いです。
2. 3色配色を活用する
3色配色は、色相環上で等間隔の位置にある3色を使うカラースキームです。
例えば、赤、黄色、青の組み合わせが該当します。
3色配色もコントラストの強いカラースキームですが、補色配色よりもバランスがとれています。
うまく組み合わせるコツは、「1つの色をメインに使って、残りの2色でアクセントをつける」ことだと言われています。
試してみてください。
私自身、補色については意識して描いていますが、三色配色までは意識が回っていません。これからはなるべく意識して描こうと思います。
最後に
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
いかがでしたか?
以上の通り、個々の特徴を特性を把握して利用することが大事です。
具体的には明度、色相、寒暖、彩度などを識別するためのより正確な方法を身につけることが大事です。
目に見える色と同じ色を作成する方法を学ぶと同時に、色の明るさ、鮮やかさ、寒暖を操る方法を学びましょう。
色使いの基本を知ってるか、知らないかで、絵の出来が大変違ってきます。
私自身、これまでに散々泣かされてきました。
これからも勉強の日々です。
他にもこんな風に「絵画上達のポイント」について取り上げています。
是非とも、お立ち寄りください。
他にも、いろんなカテゴリーのページがありますので、ホーム画面にも是非ともお立ち寄りください。
ペインティングレッスンという本を参考にさせていただきました。