“花畑の描き方”を解説します。
花畑を描きたいけど、苦手な方はおられませんか?
花畑の風景は建物などに比べて形状や色彩が複雑なので、油彩の初心者の中には苦手な方も?実は私もかっては😭
今では楽しんで描けるようになりましたので、私の描き方をご紹介します。
油彩画の描き方/花畑を描く
花畑は好きなモティーフです。
今は、「花畑の風景」と「街の風景」を半々くらいの割合で描いています。
しかし、絵を始めた頃には、街の風景を描くことが多かったです。
というのも、花畑のような自然の風景は形状や色彩が複雑なので、描き方が全くわからなかったのです。
例えば、描いていくうちに重ねた色が汚く濁ってしまったり、形もそれらしくなかったりと!
今では、花畑の風景を描くのが好きになるとは!
これも、古典絵画やテンペラ画など、いろんな描き方を基本から教えていただいたおかげです。
今回は、この作品の描き方を順を追って解説します。
これは、散歩の途中に見かけた光景です。
花の名前は明確になっていませんが、ハマナスの一種のようです。
大きな花びらが気に入りました。
今回は、F3の木製パネルに油彩で描きました。
描き方のポイントをできるだけ丁寧に説明させていただきますので、最後までお付き合いください。
描き方を順を追って解説
油彩画の描き方の基本は次の4項目です。
- 中間トーンから描き始める
- 明るい部分は不透明で暗い部分は透明色で描く
- 「明暗を持たせる」そして「固有色をつける」の順番で描く
- 固有色で一気に鮮やかにせず、薄く塗り重ねていく。
若干、違った描き方をしているかもしれませんが、基本はこれです。🤗
それでは描いていきましょう。
下描きまで
私は、木製パネルにミューグラウンドを塗って、下地にしています。
また、下地表面をサンドペーパーで磨いて、滑らかにしています。
このほうが、細密な絵を描くのに合っています。
詳しくはこちらをご覧ください。
そこに下書きをして、AQYLA(アクリル絵の具)のローシェンナを塗っています。
ローシェンナは中間の明度なので、そこから明暗を描き分けていきます。
筆は、大変大事な画材の一つです。
私は、中里のsperanzaという、柔らかい筆を使っています。
実は、この筆は公募展のJAM展において、賞としていただいたものです。
ナイロン筆ですが、私のような作品を描くのに合っています。
ステップ 1
背景には、とりあえずウインザー・バイオレットを塗りました。
葉っぱは、ブラウンピンクとバーントアンバーで明暗を塗り分けていきます。
奥の細かい葉っぱを描きすぎると、ごちゃごちゃするので、適度に省略します。
ちなみに、葉っぱの下塗りには茶色系がよく合います。
そうすると自然な感じに見えます。
ステップ 2
ホワイトには3色使っています。
- 遠方や奥の葉っぱには、シルバーホワイト(半透明)
- 近景や表面の葉っぱには、チタニウウムホワイト(不透明)
- 花びらには、テンペラホワイト(不透明)
半透明のシルバーホワイトと不透明のチタニウムホワイトを使い分けると、遠近感や立体感を出せます。
また、テンペラホワイトを使うと、その部分の存在感が増します。
なので、今回はメインの花びらにテンペラホワイトを使いました。
テンペラホワイトについては、こちらをご覧ください。
ステップ 3
葉っぱを茶色でおおむね塗りおえましたが、葉っぱの明暗や立体感を描けていないので、さらに白と茶で細かく明暗を刻んでいきます。
ステップ 4
花びらの固有色であるトランスペアレントマジェンタとテンペラホワイトで花びらの明暗と立体感をつけていきます。
一度に濃く塗らないで、全体のバランスを見ながら塗ります。
花びらを描く時には、時折、少し大きめの空筆(何も付けない)で絵の具を馴染ませます。
そうすると、筆跡が残らずに綺麗なグラデーションになります。
ステップ 5
ざっと、花びらが塗れました。
①明るいゾーンを低い彩度(鈍い)に描く
②中間の明るさのゾーンを高い彩度(鮮やか)に描く
③暗いゾーンをやや高い彩度(やや鮮やか)に描く
ゾーンの分かれ目を知るのが難しいですが、基本はこれです。
ステップ 6
次に、葉っぱの固有色を塗ります。
緑には、次の3種類を使いました。
- ザップグリーン(透明)基本の色
- ヘリオグリーン・ライト(透明)濃い緑
- トランスペアレント・ゴールデングリーン(透明)黄色っぽい緑
透明色を使って、少しずつ濃くしていきます。
そうすることで、深みのある色彩が生まれます。
当然、色を重ねるのは絵の具が乾くのを待ってからにしましょう。
色が混ざると、せっかくの綺麗な色が濁ってしまいます。
ステップ 7
葉っぱにさらに固有色を重ねていきます。
だんだんと、暗く鮮やかに!
ステップ 8
葉っぱを二層目、三層目と塗って、リアルにしていきます。
背景にウルトラマリンブルーを塗って、花の周辺を細かく刻んでいきました。
ステップ 9
葉っぱの濃い部分にトランスペアレント・シアン(青・透明)を塗って鮮やかにします。
これも、二層、三層と塗っていきます。
背景に、シルバーホワイトを塗って霞がかったイメージにしています。
ステップ 10
朝日を浴びたイメージにしたかったので、パーマネント・イエローライト(半透明色)とホワイトで花びらや葉っぱ、また背景を黄色っぽくしました。
ステップ 11
背景にアルミ箔の粉をチラシて光煌めくイメージにしました。
ステップ 12
最後にもう一度、パーマネント・イエローライト(半透明色)とホワイトで黄色味をつけて完成です。
ハイライトの箇所には、さらに強調するためにカドミウム・イエローライト(不透明)を使っています。
最後に
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
いかがでしたか?
手間はかかりますが、思うように描けた時は達成感があります。
他にもこんな風に「油絵の画材と描き方」ついて取り上げています。
こちらから確認してください。
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