”絵画の額縁あれこれ”のテーマで書きました。
絵画制作が終わり、公募展に出品したり、部屋に飾るとき、額縁に悩みませんか?
額縁は高いので、リーゾナブルで絵に合った額縁を見つけたいですよね。
「ニスかけ」や「額縁選び」アプリなどもご紹介しています。
ベストな額縁を選ぶ
”絵画の額縁あれこれ”
私が初心者の時には、額縁と言えば「賞状用の額」くらいしか知りませんでした。
デッサンや水彩画から絵を始めた頃には、そんな額に収めて満足していました。
失礼ながら、初心者の方であれば、ほぼ同様かと思います。
しかしながら、公募展に出品、そして絵を差し上げたり買ってもらえるようになると、額縁の知識が不可欠になってきます。
そこで、私もだんだんと知識をつけていきました。
参考にしていただければ幸いです。
額縁の種類とTPOとは
次のような内容を書いています。
- 本額と仮額(仮縁)の違い
- ガラス面とアクリル面の違い
- 絵に合った額縁選び
- 額縁シュミレーター(アプリ)
- 絵画のニスがけ
- オンライン額縁屋さん
- 収納について
これで、ほぼ額縁についてご理解いただけるはずです。
本額と仮額(仮縁)の違い
仮縁について
仮額とも言いますが、私は仮縁の方がなじんでいます。
仮縁は、表面にガラスやアクリルが無く、外枠だけのものです。
だから本額に比べ格段に安価です。
例えば、キャンバスやパネルに描いた、中・大型作品を公募展などに出品する時に良く使います。
軽くて取り扱いが楽ですしね。
F、Pなどの形と号数別に売られていますので、キャンバス(パネル)サイズと同じものを買います。
仮縁は金属製が多いですが、木製もあります。
分解した状態で売られていますので、購入後に自分で組み立てます。
枠を四角に組みあげて、そこにキャンバス(パネル)を差し込み、枠とキャンバスをネジくぎで固定するタイプが一般的かと思います。
普通は「ネジくぎ」も購入品についてきます。
ただ、このネジくぎ止めが結構しんどいです。なかなかドライバーでねじ込めないからです。
だから、私は先にキリでいくらか孔を開けておいてから、ねじ止めをするようにしています。これだと大分楽です。
友人の電動ドライバーを借りて、ねじ止めしたこともありますが、ネジ径が小さいのでやや扱いが難しかったです。
付属品に「吊り下げひも」と「金具」があれば、それも取り付けます。
付いていない場合には、ホームセンターで適当なものを買って取り付けてください。
私は、吊り下げ用の金具には下のような洋灯吊金具を使っています。
トラスコ中山 ステンレス洋灯吊金具32mm7本入 TYTS32 価格:438円 |
本額について
こちらは、いわゆる馴染みのある額縁です。
表面にガラス板やアクリル板がついており、長期展示用に使われる本格的な額縁です。
こちらは、組み立てることがないので楽ですが、何しろ高いです。
公募展でも本額に入れておられる作品を見かけます。
本額にはデッサン額縁や油彩額縁など、いくつかの種類があります。
デッサン額縁は、ガラス(アクリル)面の下に薄い紙などの作品を張って使うものです。基本的には、デッサンや水彩画に使います。
作品とガラス面がピッタリとくっ付いてしまうタイプの額縁だと、長期保存の際に作品が痛むことがあるので、ガラス面と絵画の間に段差を確保するインナー外枠(通常は紙製)がある額縁が良いでしょう。
油彩額縁はキャンバスやパネルを差し込むだけです。こちらは、ガラス面との段差が確保されています。
辛いネジ止め作業もありません。(笑)
当然、アクリル画でもキャンバスやパネルに描いた場合には使えますし、水彩画でもパネルに水張りすると、これが使えます。
ガラス面とアクリル面の違い
前述のとおり、本額の前面にはガラスかアクリルがはめ込まれています。
ガラスとアクリルにはこんな違いがあります。
ガラス面
- 割れるので輸送には要注意。特に大きなサイズ。
- アクリルに比べて安い
- 重い
- 通常のガラス程度の紫外線カット
- 静電気を帯びにくいので、ホコリがつきにくい。
アクリル面
- 割れにくいので、輸送に適す
- ガラスに比べて高い
- 布でこすると、細かい傷がつく
- 軽い
- 紫外線をカットする
- 静電気を帯びるので、ホコリがつきやすい
総合判断では?
絵を購入し飾って楽しむ方には、ガラス面でもよさそうですね。
しかし、公募展や個展などに出すために頻繁に出し入れ・運搬する方には、多少お高いですが、アクリルに軍配が上がるのでは。
ちなみに、公募展ではガラス面を受け付けないケースが多いです。
ただし、アクリル面は記述のように埃が付きやすいので、静電気対策をしておいた方が良いでしょう。
静電気対策
額縁用アクリル板の帯電防止剤としてSEリリーフという製品があります。
帯電防止液がアクリル樹脂に固着して効果を発揮します。
取り扱いは簡単で、効果の持続時間は半永久的とされています。
プロの方々もこれを使っておられるとのこと。
よろしかったら、お試しください。
絵に合った額縁選び
絵に合う額縁は、当然ですが絵の作風や色合いによって違います。
私は、こんなやり方で選んでいます。
①展示販売や公募展を
見て参考にする。
こういった場所では、写真を撮ることが許されている場合が多いので、絵と同様に額縁も見て気に入ったものを撮影して帰ります。
公募展であっても、良い額縁が付いている作品を目にしますので、参考になります。
最も、金欠の私は安価な仮縁ばかりですが。(笑)
②額縁販売店で
店員さんの意見を聞く
描いた作品を持参して、店員さんの意見を聞いても良いでしょう。
忙しそうな時間帯にはゆっくりと相手をしてもらうのは気の毒でしょうから、平日の昼間がいいですね。
額縁の制作もしている額縁専門店ようなお店があればベストです。
私は香川県に住んでいますが、高松にもそんな専門店があります。
在庫も多いですし、ゆっくり選ぶこともできます。
また、服と一緒で同じようなものを選びがちなので、専門家の意見はありがたいです。
③額縁シュミレーター
でトライアルする
手っ取り早く、イメージをつかむには、次の額縁シュミレーターがおすすめです。
絵画の写真に額縁を付けるアプリです。
携帯やタブレットで使えます。適用機種を確かめてからダウンロードしてください。
こんなアプリがあります。
「VOUN」
「Frame X」
これらは、ダウンロード後に課金が発生する機能を使わなければ、無料です。
私は、ipadに「Frame X」をダウンロードしています。
フォトライブラリーから写真を選び、外枠や内枠、インナーなどを選んで額装します。
出来上がったら、フォトライブラリーに保存します。
背景も選択できるので楽しいですよ。
絵画のニスがけ
油絵のニスがけ
油絵は表面を保護しておかないと劣化するのでニスがけが必要です。
油絵用のニスにはいくつか種類がありますが、私は「タブロースペシャル」(クサカベ)を使用しています。
油絵のニスがけは、通常は制作後1年くらい経って絵の具が完全に乾いて行いますが、このニスは指触乾燥段階で塗布できるニスです。
塗ると温和な光沢も得られるので、発表や公募展前に最適だと思っています。
というのも油絵の具は、時間が経つとツヤが落ちることがあるので、出品前に塗るようにしています。
タブロースペシャルには、スプレータイプと塗布タイプがあります。
頻繁に使う場合には塗布タイプが安価です。
クサカベ タブロースペシャル 完成ニス 画面保護材 250mL kusakabe 価格:3,300円 |
アクリル画のニスがけ
アクリルは屋外の壁画制作にも使われるほど高い耐久性を持った画材なので、私はこれまでニスがけをしたことがありません。
ただ、知り合いの画家さんはツヤだし効果や紫外線カットのために、ニスがけを推奨されています。
urlを添付しておきますので、そちらを覗いてください。
[おすすめ]アクリル絵の具のニスにはどんな種類がある[解説]
オンライン額縁屋さん
オンライン販売している額縁屋さんもありますので、調べたり、購入しても良いでしょう。
画材一式を販売しているお店でも良いですが、額縁専門店ですとこんなお店があります。
「額縁のタカハシ」は額縁工場を直営していますので、オーダーもできます。
収納について
額縁用外装用品として、箱と袋が販売されています。
正式な収納方法は、「黄袋」(キブクロ)に額を入れて「さし箱」に納めます。
箱には「さし箱」と「かぶせ箱」があります。
「かぶせ箱」は2ピースを合わせるようにするものです。
「さし箱」は箱の側面からさし込むタイプです。
「さし箱」ですと、重ね置きしてあっても、箱から額を引き出せるので、絵画収集家はこういった箱を利用しています。
ここまでして保存している方は少ないかと思いますが、プレゼントする時や販売する時に参考になれば!
最後に
額縁について書きましたが、いかがでしたでしょうか。
案外知らないものでしょ。お役に立てれば幸いです。
下のカテコりーでは、水彩、アクリル、油彩画の画材や描き方、学び方などについて取り上げています。
是非ともお気軽に覗いてみてください。