”油絵の画材と使い方” 初心者の方さあ始めましょう

”油絵の画材と使い方”を知らないと、油絵の具では満足のいく絵を描けません。

油絵は、水彩、アクリルと比べると、手を出しにくい画材です。

ただ、基礎知識を身につければ、誰でもあの重厚感のある絵を描けるようになるはずです。

初心者の方、きっと目からウロコですよ。

油絵の画材一式を解説
”油絵の画材と使い方”

中西繁さんの本も参考にさせていただきました。

油彩画超入門 光と影を描く (The New Fifties) [ 中西 繁 ]

価格:1,980円
(2021/8/20 13:15時点)
感想(1件)

それでは順に説明していきます。

油絵の具

油絵の具は「顔料➕乾性油」でできています。

乾性油とは水分が揮発して固まるのではなく化学反応で固まるもので、乾燥が遅いです。そのため、油絵の具は水彩やアクリルと違って、こんな特徴があります。

油絵の具の特徴

乾燥が遅い

アクリル絵の具はパレットに出して放置しておくと短時間で固まるので難儀します。一方、油絵の具では、「ちょっと用事を済ませてまた後で描こう」なんてこともできます。これは絵を描く上では結構重要なことです。 

また、固まりが遅いため、塗った絵の具を画面上で混ぜられるため、簡単にグラデーションを作ることができます。アクリルではグラデーションを作るには一定の技量と慣れが必要です。

逆に言うと、油絵の具をすぐに重ねて塗ると色が混ざってしまい濁った色になります。そのため、制作に日数が必要になり、それが油絵の具の難点でもあります。

私はこれを補うために、最近は、4~5作品を同時に描くようにしています。ただし後述のメディウムを使うと毎日描くこともできます。

透明度が高い

また、油絵の具に使われている乾性油は高い屈折率で光を透過するため、油絵具は高い透明度を有しています。

一方、アクリルはマット(べったりと不透明)に塗るのは得意ですが透明感を出すのは苦手です。水彩も水を多めにして見かけ上で透明にしているだけです。

油絵具には透明、半透明、不透明があります。これらを使いこなせるか否かがポイントになります

不透明色で立体感を描き、透明色を重ねて鮮やかに仕上げることが、油絵の基本です。

おすすめ油絵の具 

下の色が基本的な色なので揃えておいたらと思います。初心者は12色セットぐらいを購入し、少しずつ色を増やしても良いでしょう。

ホルバイン社やクサカベ社の絵の具が一般的です。

  • カドミウムイエロー(不)
  • イエローオーカー(半)
  • バーントシェンナ(半)
  • カドミウムレッド(不)
  • アリザリンクリムソン(透)
  • キナクリドンマゼンダ(透)
  • ウルトラマリン(透)
  • コバルトブルー(半)
  • フタロシアニングリーン(透)
  • ビリジャン(透)
  • シルバーホワイト(透)
  • チタニウムホワイト(不)
  • ピーチブラック(半)
  • アイボリーブラック(不)

※ 絵の具の裏に透明・不透明などの表記があります。

油絵の具の溶き油

溶き油の材料

溶き油は馴染みが薄いかと思います。しかし上手に使うと絵の出来が違ってきます。

溶き油には、次のものを混ぜて使います。

揮発油

とても乾燥が早く、制作の序盤に使います。筆を洗う時にも使えます。

乾燥後に艶が無くなるので、終盤になると減らします。テレピンがポピュラーです。

乾性油

油絵らしい重厚な透明感が得られます。乾燥が遅く、使いすぎると若干黄色っぽくなります。

多いと乾燥が遅くなって絵が進まないので、乾性油を使う時は樹脂も混ぜます。透明感があり奥行きのある空間を描くのに向いています。

リンシードオイルがポピュラーです。白っぽい絵や青っぽい絵を描く時は黄色くなることを防ぐためポピーオイルを使います。

樹脂(ワニス)

樹脂は乾燥が早いです。艶が強いので、あくまで補助的に使います。

油絵は基本的に乾性油で描く絵画ですが、乾性油だけだと乾燥が遅くて時間がかかりすぎるので、補助的に樹脂や揮発油を使います。

使いすぎるとプラスティックのような質感になるので要注意です。ダンマルワニスがポピュラーです。

乾燥促進剤

乾燥を早めます。数滴だけで良く、あくまで補助的に使います。

ホワイトシッカチーフがポピュラーです。透明なので淡い色でも使えます。

”油絵の画材と使い方”
各種オイルの例

溶き油の調合と使い方

溶き油とは、水彩絵の具・アクリル絵の具の水に相当します。絵の具を薄めたり、なめらかに描きやすくするために使います。

溶き油の調合によって、制作時間や仕上がり美観に違いが出るので、使い方を知っておく必要があります。

溶き油の調合や使い方は次のとおりです。

このようにすると油絵らしい重厚感と艶のある絵を描けますので、やってみてください。

油絵の具にも乾性油が含まれていますので、油絵の具だけで溶き油を混ぜずに描くこともできますが、乾くと艶がなくなりがちです。

溶き油の調合
  • 制作序盤;
    下描きには揮発油のみを使って、キャンバスの下地にしっかりと絵具を染み込ませます。
  • 制作中盤;
    揮発油5:乾性油4:樹脂1
  • 仕上げ;
    揮発油4:乾性油5:樹脂1:乾燥促進剤(数滴)

何種類も溶き油を作るのが面倒な場合には下のようなベーシックな溶き油を作っておき、それに揮発油や乾性油を加えて使用します。若干の配合違いは問題ありません。感覚で! 

ベーシックな溶き油
  • ベーシックな溶き油;
    揮発油5:乾性油4:樹脂1:乾燥促進剤(数滴)

それも面倒な場合には、ベーシックな溶き油に市販のペインティングオイルを使って、制作序盤には揮発油を加えてもよいです。
ペインティングオイルは揮発油、乾性油、樹脂、補助剤が程よいバランスで調合されています。

溶き油の使い方

溶き油は蓋のついた瓶で調合・保管し、その日に必要な分を絵皿などに入れて使います。

専用の油つぼは手入れが大変なのでおすすめしないです。

ただし、揮発油が飛ばないように絵皿をラップしておきましょう。匂いも拡散しないので助かります。

油絵の具のメディウム

パレットの上で絵具と溶き油に混ぜて使います。以下のように様々な役割のメディウムがありますが、どれも乾燥を早めます。

  • ガラスのような光沢を出す
  • サテンのような光沢を出す
  • 透明感を上げるもの
  • etc.

絵の具1に対してメディウム1未満で使用します。混ぜすぎるとビニールのような質感になります。

油絵の具は、絵の具事態の性能が高いので、アクリル絵の具と違って、初心者の段階ではあまりメディウムを必要とはしません。

乾燥促進 オレオパスト

最初の1本としてオレオパストがおすすめです。

色味や質感を損なわず乾燥を早めてくれます。翌日には乾いているので毎日描けて助かります。

使った筆を長時間放置すると固まってしまうので、いつもより早めに洗ってください。

油絵 メディウム例

こんなチューブに入っています

油絵の筆とナイフ

その時に使う色かずだけの筆が必要になりがちです。

使う色を変える度に洗っていては作業が進まないですし、使い回すと絵の具が濁ってしまいます。

毛の硬軟、毛先の大きさや形でいくつかの筆が必要になりますので、結構な本数になったりします。

下のように、どんな絵を描くか、どんな描き方をするかによって使用する筆が違ってきます。

筆は結構高価ですので、最初から多くを揃えずに、絵を描きながら、自分の絵に必要な筆を少しずつ揃えていけば良いです。

油絵の筆は丁寧に扱えば割りに長期間使えます。

毛の硬軟

剛毛

印象派のように絵の具をガシガシ厚塗りする時に使います。

粘度が強い状態で絵具を塗る場合には、腰の強い筆が必要です。ナイロンや豚毛が安価です。

軟毛

古典絵画のようなデリケートな絵を薄塗り(溶き油多め)で描く時に使います。

私は水彩画やアクリル画の筆も使っています。

毛先の形

まる筆

先端が丸くなっているものです。

リガー(面相筆)

先端が尖っています。細い線を描く時に使います。

平筆

一本の筆で広い範囲が塗ることもできますし、細い線を描くこともできます。

平丸筆

剛毛はこれが多いです。

ファン

先端が広がっています。私は葉っぱを描く時に使っています。自然な雰囲気が出ます。

少し慣れたら使ってみてください。

刷毛

地塗りで広範囲を一度に塗る時に使います。

”油絵の画材と使い方”
油絵用の各種筆

筆の洗い方

キッチンペーパーやティッシュペーパーで筆先についている絵の具を拭き取ります。それから、ブラッシュクリーナー液で洗います。

制作途中でササっと洗いたい時にはテレピンを使います。テレピンは高価ですが、絵の具の落ちがよいです。

クリーナ液だけでは不十分なので、そのあと石鹸で良く洗い、最後に流水で流します。

「ウニアトリエ」の動画

ペインティングナイフ

ナイフにはペインティングナイフとパレットナイフがあります。

特に決まりはないので描く時にパレットナイフを使っても良いですし、絵の具を混ぜるのにペインティングナイフを使っても構いません。普通は先が尖っているものをペインティングナイフと呼んでいます。

ナイフで塗ると独特の質感が得られます。

一般的には、ナイフのヘラの部分で壁の小手塗りのように塗りますが、側面で線を描く時にも使います。

また、一度塗った色を削り取る時に使う画家もいます。私は、下の4本を使っています。お好きな形を選んで使ってみてください。

”油絵の画材と使い方”
油絵用 各種ナイフ

油絵の支持体

支持体の材料

張りキャンバス

木枠に布を張った張りキャンバスが一般に使われています。

布には麻、綿、化繊が使われています。プロは伸縮がない麻を使っているようです。

特殊なサイズの場合は自分で木枠を組み立ててロールの布を張らないといけませんが、通常は市販の張りキャンバスで間に合います。大きいサイズはネット購入がおすすめです。

パネル

木枠にシナベニアなどの板を張ったものです。板は緻密な絵を描く時におすすめです。

私は、最近、小作品ではパネルを良く使います。

小パネルの場合には、ホームセンターで木材を買ってきて、自分で作ることもできます。

”油絵の画材と使い方”
張りキャンバス(左)パネル(右)

油絵 下地塗り

キャンバスやパネルには通常下地塗りを施します。

市販の張りキャンバスにはあらかじめ地塗りされていますので、自分で地塗りしなくてもよいですが、キャンバスの目地をつぶすため、またローラ跡などでマチエール(質感)を得るために通常は地塗りをします。

簡単な方法はアクリルジェッソを使うことです。刷毛やローラを使ってキャンバスやパネルに塗ります。キャンバスの目地や板目をつぶすために塗るので、3回重ね塗りします。

刷毛やローラの跡をマチエールとして利用できます。表面を滑らかにしたい場合には完全に乾いてから紙ヤスリで磨きます。

ジェッソの色は白を使うことが多いです。カラーもあります。

ジェッソは粒子の大きさによって、「超微粒子タイプ」から「極素粒子タイプ」があります。緻密な絵を描く場合には、「超微粒子タイプ」が良いようです。

「絵をたしなむ」の動画

油絵の具のパレット
”油絵の画材と使い方”

紙パレットが便利です。描き終わったら、剥がして捨てるだけです。パレットの手入れが不要です。また、木製パレットは色味がわかり辛いです。

私は、紙パレットとホームセンターで購入した、やや大きめの白いアクリルボードを使っています。

オリジナル ペーパーパレットS大半型 あす楽対象[メール便:50](絵具 新学期画材セット 撥水 ネイル 絵具 使い捨て アクリル絵の具 油絵具 紙パレット 文具)

価格:380円
(2021/8/20 19:45時点)
感想(1件)

 

油絵の具の混ぜ方

絵の具は、パレット上でナイフで混ぜます。筆で混ぜると混ざり切らないので、ナイフを使うと良いでしょう。ナイフ2本を使うようにし、1本で混ぜ、もう1本でこそぎ落とします。

逆に、絵の具を混ぜ切らないで塗ると、違った良さを得られます。

筆で混ぜても良いですが、絵の具がマーブル状になったり、筆にダメージを与えることがあります。

最後に

以上が油彩画で使用する材料とその使い方です。次回は油彩画の描き方の基本をまとめますので、そちらも参考にしてください。

鉛筆デッサンと水彩画についてもまとめています。

鉛筆”デッサンの初心者”にむけて 必要な道具と使い方

初心者の方へ”水彩画の画材と使い方”すぐに始められる

私は油彩でこんな絵を描いています。

油絵 F50号作品

イタリア南部のヒルタウン

ABOUT US
グランFgranf1765
第二の人生に入り、軽い仕事をしながら、風景画を描いて過ごしています。現役の時に絵画を始めてから早10年以上になります。シニアや予備軍の方々に絵画の楽しみを知っていただき、人生の楽しみを共有できればとブログを始めました。