初心者必読”デッサンの基本”はこれ 是非とも知っておくべき4項目

”デッサンの基本”

”デッサンの基本”をご存知ですか。デッサンは苦手ではないですか。

そこで今回は”デッサンの基本”として知っておくべき4項目について解説します。

『これらを知って取り入れるか否か』でデッサンの上達度合いが大きく変わってくるはずです。

是非ともご一読を!

前回は、デッサン(ドローイングともいいます)の道具についてお話しました。

こちらもご参考に!

前回のページ

”鉛筆デッサンの道具と使い方”初心者へ、これで全部です

”デッサンの基”と
正しいデッサンの練習法 

次の4項目が、デッサンの全てです。

  1. 透視図法を理解して描く
  2. 濃淡と明暗を正しく表現する
  3. ブロックインで正確に形を捉える
  4. クロッキーで素早く特徴・印象をつかむ

❶透視図法を理解して描く

透視図法とは奥に行くほど物が小さくなっていき、最後は点(消失点)になるというアレです。

透視図法には、次の3つがあります。

  1. 一点透視図法
  2. 二点透視図法
  3. 三点透視図法

ここで点の数は物を表現する時の消失点の数を意味しています。絵画制作で使用するのは2点透視図法くらいまでで、3点は稀なことです。

youtubeに丁寧な説明を見つけましたので、添付させてもらいました。

私がチャンネル登録している「ユニアトリエ」というチャンネルの動画です。この動画でほぼ透視法の意味を理解していただけるはずです。

透視図法 風景画

実際に透視図法を使って風景画を描く場合には、なかなか厄介です。

例えば、こんなケースがあります。

  • 消失点がいくつもあるケース
    (例:曲がった道に並ぶ建物では、どんどん消失点の位置がずれていきます)
  • 消失点が画面の外にあるケース

などが通例であり、透視図法を動画の解説のように理想的な形で使えるケースはかなり稀です。しかしながら、無視すると違和感のある絵になってしまいますので、注意が必要です。

下は、私が描いた風景の写真です。一点透視法の例としてご覧ください。これは流石に無視できないですよね。

一方、縦の2本の柱も一点透視になっており空に消失点があります。しかし、消失点の位置がはるか上空なので消失点を画面上に落とせないです。上の2つ目の例ですね。

透視図法での人物の配置

人物を描く時には、目の高さが大変重要になります。

下の図の緑の線が私の目の高さです。前方の人達の目もほぼ同じ高さにあります(身長の違いを除いて)が、足の位置は遠近で違っています。

人物を描き足したり、配置変えする時にはこの理屈を知っておくと便利です。

写真を移す

このように、写真は透視図法を正確に反映していますので、写真を使って描くのは一理あります。

大型作品の場合は特に困難ですので、私は写真の角度で描き移しています。

”デッサンの基本”
一点透視図法

こんな絵になりました。

”デッサンの基本” 一点透視図法
油絵 P-100 高松商店街

❷濃淡と明暗を正しく表現する

デッサンでは多彩な色を使わないため、濃淡と明暗で「遠近や質感」までも表現する必要があります。

基本的に濃淡と明暗は次のように用いられます。

  • 近くは濃く、遠くは淡く
  • 近くは一つ一つが明瞭な明暗表現、遠くは全体にぼんやりした明暗表現

遠近感が重要な風景画では非常に大事な事ですので、是非とも頭に入れて置いてください。

前回ご紹介した道具を総動員して試みてください。

ちなみに、私の好きなスーラの絵を色彩バージョンとモノクロバージョンで比べてみました。

濃淡、明暗の妙がご理解いただけると思います。デッサンも同じですね。

一流画家の絵はモノクロにしても素晴らしいと言われますが、このスーラの絵は『対角線を使った動きのある構図と、濃淡、明暗の妙』に本当に感動します。

私は、着彩の段階で、何度かその絵を写真に撮り、こんな風にアプリでモノクロに変換します。それを見ることで、『濃淡と明暗を正確に描けているか、遠近や質感を表現できているか』をチェックしています。問題があれば、再度色彩に反映しています。

人間は色味(明度と彩度)によって濃淡・明暗が撹乱されることから、モノクロにすると分かり易いのです。

色の「明るさ・明度」と「鮮やかさ・彩度」の話は、また別の機会にさせてもらいます。着彩の時には大変重要な話です。

❸ブロックインで
正確に形を捉える

形を正確に捉えると言うのは、熟練した画家でないと難しいものです。

下のような動物を描いた場合に頭と体、各パーツの大きさがアンバランスになったり、体の向きが違っていたりと、私も何度も描き直した経験があります。

それでも、上手に仕上がればまだ良いのですが、違和感のあるままに終わるのは辛いものです。

この方法は、デッサンの序盤で全体の形を正確に捉えるために使う手法です。

例えば、犬を描く場合には、最初に頭、胴体、足などを大きな塊(ブロック)で表現します。これによって、まず全体のバランスを合わせ、そのブロックの中にそれぞれのパーツを納めていきます。

次のように進めていきます。

  1. 最初は長い直線で形をブロック状に捉える。
  2. 短い線でブロックの角を取って、段々と形に合わせていく
  3. ①と②の線を曲線で捉えて、形を正確に描く

下の動画は私が習った先生の動画です。

youtubeに公開されていましたので添付させていただきました。

文章だけでは分かりずらいでしょうから、こちらをご覧ください。

ブログ 絵画をたしなむ

”デッサンの基本”
鉛筆デッサン 花瓶の花

❹クロッキーで素早く
特徴・印象をつかむ

デッサンでは時間をかけてじっくりと細部まで描き込むことが求められます。

一方、クロッキーは次のような描き方をします。

  • 短時間でササっと描く 5〜10分 長くて20分
  • 少しくらい形が違っても良いので、印象や雰囲気を大事にする
  • 細切れの線でなく、息の長い線で強弱をつけて一気に描く

この絵は、先生に教わって描いたクロッキーです。参考までに載せておきました。

”デッサンの基本”
クロッキー 人物画

クロッキは一般に人物画に用いることが多いですが、風景画でも良いです。

「ユニアトリエ」チャンネルの動画で、先生が勘所を詳しく説明されていますので、こちらもご覧ください。

 

最後に

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。少しでもお役に立てれば幸いです。

プロの先生が、着彩ばかりでなく時々デッサンをするようにと、勧めておられました。

イギリスの大学に夏季短期留学した時、その先生は「私は喫茶店の2階から路上の人たちをクロッキーで描いている」と語っていました。

やっぱり数多く描くことが大事ですね。

他にもいろんなカテゴリーの投稿をしています。

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「風景画の旅」と言うテーマで、国内外の風景と自作絵画を動画にして紹介しています。

こちらもお立ち寄りください。お気に入りのモティーフが見つかるかも!

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